バリデーション関連メルマガ第232号 クリーンルーム内の低風速の空気の流れ(気流)を4種類のタフトと1種類のトレーサで調べました
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クリーンルーム内の低風速の空気の流れ(気流)を4種類のタフトと
1種類のトレーサで調べました。
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前回は、どんなタフトが空気の流れが分かり易いかを風洞を使って
試験し、薄いフィルムが最も気流が分かりやすいタフトになることを
お届けしました。
今回は、空気の流れ(気流)が分かりにくい低風速の気流についても、
4種類のタフトと1種類のトレーサを使って実験しました。
【本 文】
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試験に使った4種類のタフトと1種類のトレーサをご紹介します。
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>> 前回、前々回のメルマガでご紹介した4種類のタフトと1種類の
トレーサで、低風速の空気の流れが分かり易いのはどれか調べました。
①純水ミスト [0.5μmの単分散粒子]注1
②薄いフィルム [0.01mmのポリエチレンフィルム]
③ちょっと厚めのフィルム[0.022mmのポリエチレンフィルム]
④テグス [0.148mmナイロンのテグス/0.8号]
⑤ミシン糸 [ポリエステル♯50]
注1.単分散粒子とは、サイズ、形態、構造、組成が均一な粒子群で
おおむねサイズの標準偏差が10%以内のもの
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純水ミストは特に優れていました。
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>> この実験は、風速を変えることができる風洞の中に、4種類のタフトと
1種類のトレーサを設置して、その状態をカメラで撮って、気流を
可視化しました。
▼ 実験の方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2014/0220_110000.php
□ 実験結果より、低風速(0.0 ~ 0.10m/sec)では、以下のことが
分かりました。
①最も気流が分かり易いのは純水ミストのトレーサで、他の
タフトより群を抜いている。
②気流が微妙に確認できるのは、ミシン糸と薄いフィルムになる。
③他のタフトは、気流を確認することは難しい。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
異なります。
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タフトとトレーサの気流の分かり易いベスト3をご紹介します。
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>> 今までの実験から、タフトとトレーサの気流の分かり易いベスト3と
その理由を考えました。
BEST1:純水ミスト
低風速から高風速まで、気流の流れが分かり易く、空気の
揺らぎまでも可視化できる。しかし、装置が必要となる。
BEST2:薄いフィルム
手にいれやすい。尚且つ、純水ミストのように空気の揺らぎは
見えないが低い風速から高い風速まで広い範囲で使える。
BEST3:ミシン糸
クリーン度が高いところでは、糸自体からの発塵が懸念されるが
低風速の気流の流れは(そこそこ)分かる。
※気流の可視化では、このようなことを参考にして頂いて、タフト・
トレーサを選定して頂ければと考えます。
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次回は、クリーンルームの風速測定についてお届けします。
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>> クリーンルームへの吸気量が規定されている条件に適合しているか
どうかを確認するための風速測定について実験してみます。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。