バリデーション関連メルマガ第234号 クリーンルーム「吸込口」の風速の測定方法を検証しました。
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クリーンルーム「吸込口」の風速測定の工夫を検証しました。
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前回は、クリーンルームの性能確認項目の一つである吸排気の風速測定に
ついて実験したところ、吸込口の風速測定方法に問題があることが分かり
ましたので、
今回は、その問題を解決するために測定方法を工夫して、実用に耐えられるか
確認しました。
【本 文】
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「吸込口」にダクトをつける工夫をしました。
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>> クリーンルーム室内の「吸込口」の前方に、空気を流す区画された流路
「ダクト」を取り付けて空気の流れをつくり、そのダクト内部で風速を
測定するというものです。
また、手作りダクトの大きさは2種類用意しました。
①100mm角で長さが600mm(注1)のものと
②150mm角で長さが600mmのものを
プラスチック段ボール(ブラダン)で製作しました。
(但し、今回の「吸込口」は、φ100mmです)
注1.長さ600mmは、JIS B 8330の送風機の試験及び検査方法をもとに、
現場で取り扱いがし易い長さにしました。
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この方法は現場で使えそうです。
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>> 実験方法は、風洞にダクトを付けて、風洞の先端からの距離を除々に
離しながら測定しました。
▼ 実験の方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2014/0306_110000.php
今回の実験で分かったこと
□ ダクトは、100mm角でも150mm角でも問題なく測定できた。
□ 安定した結果を得るには、吸込口から100~300mmの位置で測定する。
今回のように、手作りしたダクトを使った風速の測定方法であれば
現場で使えることが分かりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異
なります。
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こんな工夫なら、現場での風速が安定して測れます。
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>> 前回と今回の実験から、現場での風速測定方法をまとめましたので
ご紹介します。
■「吹き出し風速」の測定では
前回の実験のように、どの位置でも風速は安定していますので、
JIS(JIS B 9917)が推奨する吹出口から150mm程度の位置で
測定すれば良い
■「吸い込み風速」の測定では
吸込口をすっぽり塞ぐ大きさで、長さが600mmぐらいのダクトを
つくり、吸込口から100~300mmの位置で測定すれば良い
このような方法で、吹出口・吸込口の風速を正しく測定することが
できることが分かりました。
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次回は、最近話題になっているFSSC22000についてお届けします。
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>> 昨年のアクリフーズ冷凍食品農薬混入事件以来、安全管理を強化する
ために話題になっている国際規格「FSSC22000」の移り変わりに関する
情報をご紹介する予定です。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。