バリデーション関連メルマガ 第237号 室温センサの保護パイプの影響を調べました。
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室温センサの保護パイプの影響を調べました。
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前回は、オートクレーブ内の温度分布測定に使用する当社独自の温度
センサの工夫や関連のデータをお届けしました。
今回は、保管庫や倉庫で使用されることが多い、温度センサの保護パイプ
の温度への影響についてご紹介します。
【本 文】
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空気の温度を測定するセンサは保護パイプに影響されるの?
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>> 最近、当社には保管庫や倉庫などの温度や湿度測定に関わるご依頼を
頂くことが多くなってきました。
□ このような場所の温度を測定するには、白金測温抵抗体を使った
気体温度測定用のセンサが多く使われています。
□ そして、センサ自体の破損防止等のために保護パイプが付いている
ものもあればセンサ部が剥き出しで設置されているものもあります。
※ そこで、今回は、この保護パイプが測定温度にどんな影響を与えるのか
調べました。
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センサの応答速度に違いがでました。
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>> この実験は、風の流れがある室内に、3種類の温度センサを設置して
その温度の変化を測定しました。
①保護パイプが付いていないセンサ
②保護パイプ(風が通るモノ)が付いているセンサ(穴が全体の約半分)
③保護パイプ(風が通らないモノ)が付いているセンサ
▼ 実験の方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
https://www.validation-wa-nks.jp/2014/0327_110000.php
このように、保護パイプの有り無し、空気穴の有り無しで、温度が変化
するスピードが違いました。
□ 温度の追従の速さでみると①②③の順番になり
・①の保護パイプなしのセンサが最も追従が速い
・次に速いのが②の空気穴が半分開いているセンサ
・最も遅いのは、全体が覆われている③のセンサとなりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異
なります。
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保護パイプを使うがどうかは、保管したいものへの影響も考慮して決める。
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>> 保護パイプを使うかどうかを決める場合
「破損されそうだから保護パイプ付きのセンサを選択する」というだけでなく、
その場所に保管する製品への温度の影響も加味して選定する必要があると
考えます。
□ 例えば、品質が温度に影響され易い製品を保管する場合は
①の保護パイプのなしのセンサを選択し、敏感に温度を管理する
必要があります。
このように、目的に見合ったセンサを選ぶことが重要と思います。
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次回は、湿度センサの影響を調べます。
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>> 保管庫や倉庫では、湿度の測定も必要になりますので、湿度センサに
ついても同様の実験をしてみます。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。