バリデーション関連メルマガ第238号 湿度センサの保護パイプの影響を調べました。
保管庫や倉庫では湿度の管理も重要になっています。
段ボールが積まれた倉庫や保管庫では、梅雨時になると段ボールのパネル部が膨れた状態を見ることがあります。これは段ボールが吸湿して変化を起こしていると考えられます。
このような状態を見ると、湿度が段ボールの中に保管されている製品の品質にまで影響を及ぼすのではと心配されます。
実際には、このような状態にならないように湿度を測定して管理されていると思います。
また、この湿度を管理しているセンサには、温度センサと同じようにセンサ自体の破損防止等のための保護パイプが付いているものもあればセンサ部が剥き出しに設置されているものもあります。
しかし、保護パイプがあってもキチンと測れるのか気になり、保護パイプが湿度測定にどんな影響を与えるのか調べました。
保護パイプは湿度センサの応答にも影響しました。
この実験は、風の流れがある室内に、3種類の温湿度センサを設置してその湿度の変化を測定しました。
■センサのイメージ
1.測定の方法
① 室内(暖房運転中)に温湿度センサを設置する。
②連続的に温湿度を測定し、推移を確認する。
□測定した内容
・温湿度センサ 3種類
・測定周期2秒で1時間測定
・測定場所の気流(風速)は、0.10~0.14m/sec
2.測定の結果
測定した結果は以下のようになりました。
■湿度測定結果
連続測定データをグラフにすると以下のようになります。
このように、温度センサと同じように、湿度センサも保護パイプの有り無し、穴の有り無しで、湿度の応答に違いが有ることが分かりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。
保護パイプを使うときの効果!
保護パイプは、センサに物がぶつかって破損されそうだから使うという
だけでなく、この実験データのように保護パイプによって応答性が遅く
なる特性を活用することも考えられます。
□ 例えば、湿度は壁や床から影響するすることがあるため、保護パイプ
を使うことによって、外部からの影響を小さくすることもできると思います。