第243号 圧縮空気中の水分量測定の実際
圧縮空気中の水分測定には、2つの方法があります。
ご存じのように、圧縮空気中の水分測定には「水分に反応する薬剤を使う方法」と「露点計で露点温度を測定する方法」があります。
1.水分に反応する薬剤を使う方法
(1) 水分に反応する薬剤の入ったガラス管状の検知管①に
(2) 専用減圧弁②を用いて圧縮空気を通気して
(3) 薬剤が黄色から青緑色に変化する境目を読み取り
(4) 圧縮空気中の水分量とする。
(この測定方法を、当社では「圧縮空気中の水分測定」と呼んでいます。)
2.露点計を使った方法
(1) 空気に含まれる水蒸気の量を表す露点を露点計①で測定する。
(2) また、圧力が下がると露点温度も下降するため圧力②も測定する。
(補正の為)
(3) 測定した露点温度を測定圧力で補正して、圧縮空気の露点温度を求める。
(この測定方法を、当社では「圧縮空気中の露点温度測定」と
呼んでいます。)
実際に、2つの方法で水分量を測定しました。
>> 当社独自のやり方でコンプレッサーの圧縮空気を実際に測定しました。
[検知管と露点計の仕様]
1.検知管
メーカ :光明理化学工業株式会社
型式 :603SP2
レンジ : 100-1000ppm (≒-42~-20℃DP)
Lot No.603044
0.1MPa、3L/minで1分間通気し、変色個所の数値を読み取り
2.露点計
メーカ :ヴァイサラ
型式 :DM70
レンジ :-70~+30℃DP
[測定の結果]
□大気圧時の露点温度に換算した値
■ 各々の機器の測定範囲内では、ほぼ同じ値になりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。
圧縮空気の水分量測定は、露点計を使うのがベスト!
どちらの測定の仕方を選んだらよいか、測定の条件から考えてみました。
□初めて、水分量を測定する時
水分量が多いと、水分が測定器の配管内部に入り込んで測定器を汚す
可能性があるため、まずは、汚れても良い「検知管」を使って大まかな
水分量を把握すると安心です。
□定期的な水分量の測定では
圧縮空気の水分量が概ね分かっており、測定器を汚すことは無いので
「露点計」で精度良く測定する。
□極めて水分量が低い圧縮空気の測定では
「検知管」の測定範囲を外れるため、「露点計」で無いと測定できません。
※結論としては
初めて測定する時以外では、露点計と圧力計を使うと良いと考えます。
■当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。
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No.116 圧縮空気の品質(フィルター装着の効果)