第245号 模擬クリーンブース内の測定位置による風速の違いを測定しました。
規格によって風速の測定位置の違いがある?
>> クリーンブース内の風速は、作業状態での風速がどうなっているのかが
重要になってきたと考えられます。
- 現状では、クリーンブースを作ったときの性能試験方法に準拠して、パンチングメタルから風の吹き出し方向の150mm~300mmのところで測定するのが一般的な方法です。
- しかし、PIC/SGMPの要求は、実際の作業場所(1000~1500mmのところ)の風速を測定することを要求しているようです。
- このことは、クリーンブースが「メーカの立場」から「使用者の立場」に視点が変わってきたと考えられます。
- そこで、今回はJIS・ISO規格の要求の位置とPIC/SGMPの要求位置でどれぐらいの風速の差があるか実験しました。
風速の差に大きな違いはありませんでした。
- この実験は、模擬的なクリーンブースを作り、所定の測定位置で4ヶ所の風速を測定し平均値を求めました。
[測定に使用した機器の仕様]
メーカ :日本カノマックス
品名 :クリモマスター風速計
型式 :6531
測定範囲:0.10~30.0m/s(3%ofrdg+0.1)m/s
[測定の結果]
[測定結果のグラフ]
- この実験は、模擬的なクリーンブースを作り、所定の測定位置で4ヶ所の風速を測定し平均値を求めました。
■今回の実験の条件においては
どの位置でも平均風速の平均値(0.93m/s)の±5%以内になり、
どの測定位置でも風速はほぼ同じになることが分かりました。
(参考:JACA規格での平均風速の空間バラツキは設計値の±20%以内と決めている。)
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。
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規格の要求を実現するには!
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- 実験結果から、風速はどの位置でもほぼ同じになることが分かりましたので規格が要求する測定位置を明記したうえで測定すれば良いということになります。
- また、測定方法は、PIC/S GMPでまだ明確にしていると確認できませんので、当面はJISやISO規格の決め毎に準拠すれば良いと考えます。
□例えば
JIS規格に準拠であれば→パンチングメタル下150mm
PIC/S GMPに準拠であれば→作業台の上100mm
■当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
▼関連する情報はこちら
No.119 風量測定時のダクト長さによる測定値の違い
No.117 風量測定時の整流板の効果(風速計使用時)