第246号 校正しても温度センサにオイルが付着しない治具を製作しました。
温度センサ部にオイルが付着しないので、医薬品製造現場でも安心です
>>今までのオイルを使った校正をしながらも、校正対象の温度センサが
オイルバス内のオイルに触れない構造の校正治具を製作しました。
- オイルバスに浸しても、校正対象の温度センサにオイルが付着しない「おわん」が付いたような均熱ブロックを作りました。
- 均熱ブロックはオイルバスの温度が校正対象の温度センサにキチンと届くような材質で作りました。
- 校正対象の温度センサから放熱しないように「おわん」の中にセラミックウールを充填して使います。
- 均熱ブロックのセンサ取付孔に校正対象のセンサを取り付ける
- セラミックウールを充填する
- 基準のセンサを取り付ける
- オイルバスの中に、セッティングした治具を浸す
- 所定の温度で安定したら、①基準温度センサと②校正対象の温度センサの温度を読み取る
- オイルバス内の温度が高温になるため、オイルバスからミストが発生して空気が汚れる可能性がある。
- 校正対象のセンサ形状に合った取付孔が重要になるので、センサの寸法が変わると、都度新しい治具を製作する必要がある。
新しい治具が校正に使えるかどうか実験しました。
上記治具を使うことで温度センサにオイルが付着しなくなりましたが、校正対象と基準の温度センサの温度差が大きいようでは、実際の校正には使えません。
そこで、校正対象と基準の温度センサの温度差を測定して確認しました。
実験のやり方は、
[測定の状態]
[「基準の温度センサ」と「校正対象の温度センサ」の仕様]
①基準の温度センサ
メーカ :山里産業株式会社
仕様 :シース白金測温抵抗体 JIS A Φ3.2
シース長 800mm
②校正対象の温度センサ
メーカ :山里産業株式会社
仕様 :シース白金測温抵抗体 JIS B Φ3.2
へルール1.5S《コンプレッションフィッティング接続》
(へルールからの突き出し長さ 20mm)
[測定の結果]
■ このように、
どの測定温度でも、ほとんど誤差が無いことが分かりましたので
この方法が校正に使えると考えます。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。
新しい治具を使った校正方法で考慮すること!
この方法を使うと挿入長が極めて短い温度センサもオイルバスを使って校正に使えることが分かりましたが、2つの考慮する点があります。
■ 当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。
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