第250号 熱シール機の表面温度分布を測定しました。
「ちゃんと」シールできるのかなー?
>> ご存知のように、熱シール機は、製品を包むポリ袋などの閉じ口を
熱で溶着して封じるもので、熱を発生して溶かす部分は、一般的には、
ポリ袋の幅に適した平らで長いヒータが使われています。
しかし、ヒータの熱で溶着した部分に「溶着むら」があると製品の
液漏れや菌の混入等品質に悪影響がでるかもしれません。
そこで、今回は、このヒータ部の溶着むらの要因と考えられる
温度のバラツキ(表面温度分布)を調べました。
□ 熱シール機は、下図のような卓上型のものを使いました。
最大で17.7℃もバラツキがありました!
>> 実験の方法は、
ヒータ部の5ヶ所に、テフロンテープでサンドイッチした温度センサを
貼り付けて直流安定化電源から一定の電流をヒーターに流して、
各点の温度を測定します。
[測定に使った直流安定化電源と温度センサの仕様]
1.直流安定化電源
メーカ:菊水電子工業
型式:PWR400M
レンジ:0~320.0V/0~6.25A(最大400W)
2.温度センサ
メーカ:大成製作所
型式:DW JIS 1 TS 0.3
レンジ:-40~150℃
[測定結果のグラフ]
■ 実験結果から
ヒータに流す電流が大きい(表面温度が高い)程、表面各点の温度の
バラツキが大きくなることが分かりました。
そのバラツキの大きさは、ヒータ電流が最大の4Aの時(温度が最も
高い時)、17.7℃にもなりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
異なります。
「ちゃんと」シールできるかを検証するポイント!
>> 「ちゃんと」シールできることを定期的に確認するには、
今回の実験のようなデータを活用できると思います。
具体的には、
①使用している熱シール機で、シールした袋が品質的に問題のない
状態を確認し
②その時の温度データを収集し
③同じような温度になっているのかを定期的に確認する。
■ このように、シール機の機能を検証する方法にも使えると考えます。
又、ヒータ部の幅が広いものでは、熱電対の変わりに放射温度計を
使っても良いと思います。
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★次回は、圧着レバーを押した時の温度分布を測定してみます。
□ 当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。
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