第252号 チューブ式定量ポンプの流量が直線的に変わるか確認しました
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そもそも、チューブ式定量ポンプとは
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>>ご存知のように、チューブ式定量ポンプとは弾力性のあるチューブを
ローラでしごいて管内の液体を押し出す方式のポンプの一種です。
長所として
・ローラの一回転で押出される容量が一定になる。
・ポンプ自体が液体に接触しない。
などの特徴があるので、定量の液剤供給が必要な洗浄機・医療機器や
少量の分注(溶液を一定量に分ける)をおこなうケミカルプラントなどに
用いられます。
■そこで、バリデーションしたい項目として、まず、流量の直線性
(流量設定を増やした時に設定通りに実流量が増えていくか?)を
調べました。
※今回実験に使ったチューブ式定量ポンプ
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流量はほぼ直線的に変化しました。
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>>今回の実験は、チューブ式定量ポンプの
(1)電圧電流発生器で電圧を0.5Vずつ変えて、流量設定を増やす。
(2)各設定流量で送り出された水をメスシリンダーで受ける。
(3)メスシリンダーが満タン(体積:50ml)になるまでの時間を
ストップウォッチで測定し実流量を確認する。
[測定に使ったメスシリンダーとストップウォッチの仕様]
1.メスシリンダー
メーカ :SIBATA
型式 :50ml
精度 :±0.25ml at20℃
2.ストップウオッチ
メーカ :セイコー
型式 :S051-4000
■実験結果から
チューブ式定量ポンプの長所どおり、ほぼ真っ直ぐな直線性を
示しました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異
なります。
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実験から見えてきたバリデーションの注意ポイント
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>>流量の直線性をバリデーションするときの注意ポイントと対策を考えました。
①測定体積が小さいため、流量が大きくなると誤差が大きくなる。
→考えられる対策:メスシリンダーの容量を可能な限り大きくする。
②ストップウォッチを押すタイミングが人によってばらつくため、時間で
演算した流量値に誤差が生じる。
→考えられる対策:測定回数を増やしてバラツキの影響を小さくする。
③メスシリンダーは目盛が20℃で保証されているため、測定する
水の温度で誤差が生ずる。
→考えられる対策:水の温度を一定にして、20℃との差を補正する。
■実際のバリデーションの検証作業においては、このような注意ポイントを
考慮する必要があると考えます。
※ 次回は、2つ目の流量の再現性(流量設定を上昇、下降繰り返
しても設定流量通りになるか?)を実験したいと思います。
■当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
▼関連する情報はこちら
第253号 チューブ式定量ポンプの流量の再現性を確認しました