第253号 チューブ式定量ポンプの流量の再現性を確認しました。
——————————————————————
チューブ式定量ポンプは「流量の再現性」も重要!
——————————————————————
>> ご存知のように、再現性とは、条件を整えたときに、再びまったく
同じ状態になる性質を備えていることです。
当然、チューブ式定量ポンプにおいても再現性が求められると考えます。
□ 具体的には
チューブ式定量ポンプを医療機器などで定量の液剤供給を行おうとするとき
目標の流量にするために、設定流量を上昇させたり、下降させたりして、
流量を調整することが必要になる場合があると思います。
この時に、上昇させたときと下降させたときで、同じ設定値でありながら、
実流量に差があると大変使い勝手の悪いものになります。
■ そこで、今回はこの再現性に注目して調べました。
——————————————————————
上昇時と下降時の実流量のバラツキは極めて小さなものでした。
——————————————————————
>> 今回の実験は、チューブ式定量ポンプの
(1)電圧電流発生器で電圧を1.5→3.0→1.5Vと段階的に変え、
設定流量を変化させる。
(2)各設定流量で送り出された水をメスシリンダーで受ける。
(3)メスシリンダーが満タン(体積:50ml)になるまでの時間を
ストップウォッチで測定し実流量を確認する。
[測定に使ったメスシリンダーとストップウォッチの仕様]
1.メスシリンダー
メーカ : SIBATA
型式 : 50ml
精度 : ±0.25ml at20℃
2.ストップウオッチ
メーカ : セイコー
型式 : S051-4000
■ 実験結果から
上昇時と下降時の実流量の差は最大でも0.7ml/minと極めて、
小さなバラツキになりましたので、再現性の良いポンプといえると
思います。
また、前回のメルマガでご紹介しましたバリデーションの
注意ポイントの測定回数を増やしたこともバラツキが
小さくなった要因とも考えます。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異
なります。
——————————————————————
しかし、設定流量と実流量の差は最大で60ml/minにもなっている!
——————————————————————
>> この設定流量と実流量の差は、前回の直線性においても発生して
いましたので、この差の要因を調べてみました。
□ どうも、この要因は使用しているチューブの使用経過時間にあることが
分かってきました。
経験値的な要素が多いようですが、
・チューブが新しい時は、設定値と実流量の差が大きくなる
・チューブが古くなってくると、その差は小さくなる
ということですが数値化することは難しいというもののようです。
■ 従って、チューブ式定量ポンプを使用する時には、都度、現状の
実流量を測定する必要があると考えます。
——————————————————————
※ 次回は、バリデーションの実施項目にしたい3つ目の温度による
流量の変化を実験したいと思います。
■ 当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。
▼関連する情報はこちら
第252号 チューブ式定量ポンプの流量が直線的に変わるか確認しました