第255号 センサ部にオイルが付着しない新しい治具は正しい校正ができることが分かりました。
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「治具を使っても正しい校正ができる」の判断基準を決めました。
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>>センサ部にオイルが付着しない新しい治具を使った校正方法の正しさを
以下のように確認することにしました。
・実験A:まずは、検証済みの校正方法で校正を行う。
(新しい治具を使わず校正を行います。)
・実験B:次に、新しい治具を使って校正を行う。
・そして実験A、Bの誤差の差が±0.2℃以内であれば、新しい治具を使っても
正しい校正ができたと判断する。
※差が±0.2℃以内とした理由は、お客様がセンサの善し悪しを判断される
基準「±0.5~1.0℃」の概ね1/3以下であれば正しい校正ができると
考えました。
このように、2種類の同じセンサで行った実験A、Bで求めた誤差を比較して
正しい校正方法かどうかを判断します。
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実験A:対象となるセンサの誤差がハッキリしました。
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>>実験Aのやり方は
1.「基準の温度センサ」と「校正対象の温度センサ」をオイルバスに浸す。
2.オイルバスの温度を所定の温度で安定させる。
3.所定の温度で安定したら、①基準温度センサと②校正対象の温度センサの
温度を読み取る。
[「基準の温度センサ」と「校正対象の温度センサ」の仕様]
①基準の温度センサ
メーカ:山里産業株式会社
型式:RMB-ML100Sx02/32
仕様:シース白金測温抵抗体JIS AΦ3.2
シース長500mm
②校正対象の温度センサ
メーカ:大阪サニタリー株式会社
型式:TIH-1S
仕様:1Sフランジ
■このセンサは、どの測定温度でも、「-0.2℃」の
誤差を持っていることが分かりました。
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実験B:センサの誤差+治具の誤差を求めました。
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>>実験Bのやり方は
1.均熱ブロックのセンサ取付孔に校正対象のセンサを取り付ける
2.セラミックウールを充填する。
3.基準のセンサを取り付ける
4.オイルバスの中に、セッティングした治具を浸す。
5.所定の温度で安定したら、①基準温度センサと②校正対象の温度
センサの温度を読み取る。
■対象のセンサの誤差+治具の誤差は、合わせて、「-0.3~-0.4℃」に
なることが分かりました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
異なります。
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A、B2つの実験から、新しい治具は正しい校正ができることが分かりました。
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>>2つの実験の結果を纏めると
※このように、どの測定温度でも、判断基準の±0.2℃以内になりましたので
センサ部にオイルが付着しない新しい治具を使った校正方法はお客様の
判断基準を満たしていると考えます。
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また、この校正方法での注意点も分かりました。
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>>今回の実験からは、現場での作業時の注意点もハッキリしてきました。
□オイルバスの温度が安定してから、校正対象のセンサの温度が安定するのに
大幅な時間が掛かる
→その為、温度が安定する1時間後ぐらいに温度を読み取る必要があります。
□校正対象のセンサ全体が高温になる
→そのため、センサに触れないように周囲を柵などで「防護」する必要が
あります。
■当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。