第263号 現場からのご質問の解決策を(一緒に)考えてみます。(1)
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こんなお問い合わせを頂きました。
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>>最初のご質問は
現場の設備をバリデーションする際に、単体キャリブレーションとか
ループキャリブレーションという言葉を良く耳にするが、どんなものか
知りたいという内容です。
□今回は、このご質問について考えてみます。
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単体キャリブレーションとループキャリブレーションの違いを考えます。
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>>ここでは、実際の温度の測定例(下図)から違いを考えてみます。
[温度の測定例]
この測定例は、検出部で温度を電気信号にして、電気配線で電気信号を
伝送して、表示部で、その温度を表示することを目的としています。
□(上図で)単体キャリブレーション、ループキャリブレーションを
説明します。
一般的に、単体とは、検出部・表示部のそれぞれの計測器のことで
ループとは、検出部・表示部を電気配線でつないだ一連のものですので、
・単体キャリブレーション(橙点線枠内)は、それぞれの計測器を校正
することで、この例では、検出部を校正する単体キャリブレーション①と
表示部を校正する単体キャリブレーション②となります。
・また、ループキャリブレーション(緑点線枠内)は、検出部から表示部
までを一連で校正することになります。
■このように、
単体キャリブレーションは「それぞれの計測器」、また、ループキャリブ
レーションは「検出器から表示部までの一連の計測器」をキャリブレーション
することと言えると考えます。
次に、
理解をより深めて頂けるように、単体キャリブレーションとループキャリブ
レーションの具体的なやり方もご紹介します。
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単体キャリブレーションとループキャリブレーションの具体的なやり方です。
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>> 当社手順での一例をご紹介します。
□単体キャリブレーション
温度センサのキャリブレーション
校正方法:
①恒温水槽を校正する温度に設定し、安定させる。
(校正温度や禁水・禁油等のご要望により電気炉などを用いる場合がある。)
②標準温度計と対象の温度センサを恒温水槽に挿入する。
③指示温度が安定したら、標準温度計の指示値と、対象の温度センサの出力
(抵抗値)を温度測定器で温度換算した指示値を読み取る。
※このように、温度センサが正しいか標準器を使って確認しています。
□ループキャリブレーション
センサから表示部までの一連でキャリブレーション
校正方法:
①恒温水槽を校正する温度に設定し、安定させる。
(校正温度や禁水・禁油等のご要望により電気炉などを用いる場合がある)
②標準温度計と対象の温度センサを恒温水槽に挿入する。
③指示温度が安定したら、標準温度計と対象の測定値表示部の指示部を
読み取る。
※このように、温度センサが検出した温度が正しく表示されるか
標準器を使って確認しています。
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次回も、ご質問の解決策を考えてみます。
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>>次回は、
1.「キャリブレーション」の
(2)単体キャリブレーション、ループキャリブレーションに関する
決まりがあるか
について考えてみます。
※当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求
内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して頂ける作業を
お届けする努力を続けています。