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第281号 キャリブレーションで使う測定器は使用環境(温度・湿度など)で基準値が変化する?

現場の温度によって、6ダイヤル抵抗器の抵抗はどれぐらい変化するのか?

>> 製薬等の工場では、キャリブレーションの対象となる計測器として、
  温度計・圧力計・流量計など様々なものが使われています。
□ 例えば、温度で抵抗値が変化する特性を利用した(抵抗式)温度計は、
  以下のような6ダイヤル抵抗器を使ってキャリブレーションします。
HP28119.jpg
■ 今回は、この測定器(6ダイヤル抵抗器)の温度変化に対する抵抗値の
  変化を調べました。

予想どおり、温度によって抵抗値が変化しました。

>> この実験は、6ダイヤル抵抗器を恒温槽内に入れて、
・夏冬の使用場所の温度を想定して、槽内を5℃、25℃、40℃の
 3段階に変えて
・各温度での6ダイアル抵抗器の抵抗値をマルチメータで測定しました。
HP28111.jpg
■ 測定結果
測定は5℃→25℃→40℃→5℃→25℃→40℃と、繰り返し2回行いました。
HP28112.jpg
■ 差(温度換算値-基準温度)の平均値グラフ
HP28113.jpg
□ 測定結果から
 ・測定器の抵抗値は、恒温槽内の温度が高くなると、基準抵抗値との
  差が大きくなる。
 ・基準温度との差は、最大で-0.04℃になった。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
  異なります。

基準温度との差による問題点を考えてみます。

>> 実際のキャリブレーションの実施現場では、刻々と温湿度等の環境が
  変わることが当たり前の状況と思いますので
  今回の実験結果のように、温度によって、基準になる抵抗値が変化
  することになります。
□ そのような状況でキャリブレーションを実施すると
『基準温度が同じだが、その時々の現場の温度によって抵抗値が
 変化するため、対象の温度計の表示値が同じにならない』ことを
 解決する必要があり、
対策が難しく結構いやらしい問題が考えられます。

他の測定器も同様の実験をしてみます。

>> 次回 は、他の測定器の温度特性も調べて、同様の問題があるのか
  調べてみます。
また、この様な問題の解決案も考えてみます。
※ 当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
 おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
 続けています。