第285号 輸送時に使用する保冷剤(ドライアイス)の置き方による温度への影響?
ドライアイスの置き方で冷え方が違う?
>>今までの実験から、BOX内へのドライアイスの入れ方を3通り考えました。
①縦置きで、ドライアイス同士を離して入れる。
②縦置きで、ドライアイス同士を密着して入れる。
③ドライアイスを横にして、底面に平置きする。
[入れ方の概略図]
※使用するドライアイスの大きさは「12cmX12cmX2.2cm」
□今回は、この3通りの入れ方で、BOX内温度の変化を測定しました。
同じドライアイスの量でも、温度変化は結構違いました!
>>今回の実験は、
発泡スチロールBOX(256mmx196mmx124mm:6.2L)を3台用意し、
各々にドライアイス2個の入れ方を変えて温度を測定しました。
[発泡スチロールBOX+ドライアイスの写真]
[実験の概要]
1.BOX内にドライアイス2個を3通りの置き方で設置する。
2.BOX内の中央のふた下5cmに温度センサを設置する。
3.BOX付近の外気温(周囲温度)も測定する。
4.各温度データを収集する。
[測定システムの概要]
[使用測定器の仕様]
・データ収集装置
メーカ:横河電機
型式:DA100
・温度センサ
テフロン被覆T熱電対クラス1
[測定結果のグラフ]
□測定結果から
・①の縦分離置きの温度が最も下がった(約-50℃)
・③の横平置きは温度の下がりは少なかったが(約-20℃)、
0℃以下を長時間保った。
このように、ドライアイスの置き方で、「下がる温度」や「0℃になる時間」
に違いがあることが分かりました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
異なります。
空気と接する面を多くすると温度は下がる!!
>>ドライアイスは固体から気体になるときに熱を吸収して、ドライアイス
周りの温度を低下させているので
ドライアイスの表面と周りの空気と接している面積が広いほど熱が
吸収され易いため温度が下がるということになると思います。
今回の実験においても
①縦分離置きのドライアイスの表面積が大きいため、最も温度が下がりました。
□このように、ドライアイスと空気に接する面積によって、冷え方が違って
くると考えます。
※例えば、温度を最も下げるには、①のように、ドライアイスと空気の
接する面積を大きくすれば良いということになります。
次回はドライアイスの減り方に注目します。
>>今回の実験で、①のように、温度を低くすると0℃になる時間が短い
(長持ちしない)ということが起こりました。
この時には、ドライアイスが無くなってきているのではないかと想定
できますが本当にそうなっているか確認することにします。
■そこで次回は、ドライアイスの減り方などを調べてみることにします。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。