第291号 温度センサの時定数の大きさで生じる温度変化の違いを実機で調べました。[その3]
小さめの倉庫に保管することをイメージして、実験しました。
>>小さめの倉庫とは、45m3ぐらいの倉庫(部屋)をエアコン1台で
室内温度20℃で制御し、両サイドに棚を並べて、製品を保管する
ことを想定しています。
□こんな感じの部屋(倉庫)内に、3台の温度センサを同じ場所に
置いて温度の変化具合を確認しました。
やはり、時定数の大きいセンサの温度変化が気になりました。
>>前回の実験データでは、応答性が最も遅い③温度データロガーの
温度変化が①②より明らかに小さな変化(変動が小さい)に
なりましたので、今回も同じような動きになるのか大変興味を
持って実験を行いました。
□ 3つの温度センサと時定数
[実験の概要]
1.室内の中央付近(同じ場所)に、3つの温度センサを置く。
2.20℃付近で温度が安定したらデータを収集する。
[測定システムの概要]
[測定結果のグラフ]
□ 測定結果から
・どのセンサもほぼ同じ温度になり、3つのセンサの温度差は
最大でも0.22℃と結構小さいものになりました。
・気になっていた時定数の大きい③温度データロガーの温度変化は、
①②と比較して温度変化の滑らかさが少し目立つ程度だった。
★ 今回の実験では、これぐらいの容積であれば、1台の
エアコンだけでも、空気が混ざり合い、結構、温度は安定するんだ
ということも新しい発見でした。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
異なります。
時定数の大きなセンサの使用には注意が必要と考えます!
>> 今回の3つの実験から分かったこと
①温度の制御性の良い装置は時定数の違いはあまり影響しない。
②主に冷蔵庫等のON-OFF制御の小さな装置では、温度が大きく
変動するためセンサの時定数が大きく影響する。
③少し広めの部屋であれば、温度は結構安定して、さほど、時定数の
影響を受けない。(但し、20℃設定の場合)
□ これらのことから、時定数の大きな温度センサは
経験上ですが、2~3℃程の大きな幅で、且つ、頻繁に変動する
装置・部屋(倉庫)の温度測定(評価試験)には、使用を控える方が
よいと考えます。
※ 当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。