第293号 特殊構造で接液できない温度センサのキャリブレーション方法を考えました。(その2)
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気相の恒温槽を使えば、冶具を使わないキャリブレーションが可能です。
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>>このキャリブレーション方法は、特殊温度センサを恒温槽に入れて、
気相中で行うもので、試験室や検査室など、設備が整った場所で
実施される方法のひとつです。
□ この方法であれば、専用の冶具も要らないし、検出部が外側のフランジに
キチンと接触しているかなどを気にする必要もありません。
※しかし、試験室などの環境と大きく違う製造現場で、温度が安定する
気相の恒温槽を、準備できるかがチョット気になりながら実験しました。
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気相の恒温槽でもキチッと測定できました!
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>>キャリブレーションに使用する恒温槽の仕様
外形(cm) 横:90縦:70奥行:70
槽内寸法(cm)横:40縦:40奥行:40
温度制御範囲: -70~60℃
※このように、大きなもので重量も重いため、現場での取り扱いは、
結構、厄介な装置と思います。
[実験の概要]
1.使用するセンサは
①標準温度センサ(これがキャリブレーションの基準になります)
②特殊センサ(キャリブレーション対象)
2.①②を恒温槽に設置します。
3.所定の温度で安定したら、各センサのデータから差異を求めます。
[測定システムの概要]
[測定結果のグラフ]
□このキャリブレーション方法では、測定誤差はすべての温度で
±0.1℃以内になることが分かりました。
(前回方法の差異「±0.1℃」と、同じ結果になりました。)
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
異なります。
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現場の状況や要求によって、キャリブレーション方法を選択できます。
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>>今回の実験で、どちらのキャリブレーション方法でも使えることが
分かりましたので選択がし易いように、双方のメリット・デメリットを
纏めました。
■どちらのキャリブレーション方法を選ぶかは
このようなメリット・デメリットを参考にし、現場までの運搬や
搬入方法なども考慮して、もっとも安全な方法を選択することに
なると考えます
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。