第295号 どんなバリデーション実施計画書が良いかを考えました!
はじめに、バリデーション実施計画書のあるべき姿を考えてみました。
お問い合わせのバリデーション実施計画書に何を盛り込んだら良いのかを考えるにあたって、はじめに、バリデーション実施計画書のあるべき姿を考えました。
■計画書を読み進めれば、その通りに実行できる。
当然、読み手の力量が関わってきますが、業界に関わる人なら内容が
理解できて記載どおりの作業が実現できる。
■規格に準拠している。
GMP規格(例えば、バリデーション基準)の要求を満たしている。
今回は、このあるべき姿を実現するための、バリデーション実施計画書をどのように作り上げるかを明らかにしていくことにします。
バリデーション実施計画書は12の脊椎(背骨)で形成されています。
この2つのあるべき姿を具現化するためのバリデーション実施計画書を体の「つくり」に例えてご紹介します。
■このように、それぞれの脊椎は、3つの機能「人員」「技術」「運用」の
いずれかを担っています。
※これらの12個の脊椎が骨格として整って、頑丈な体のもとが出来上がります。
更に、骨格に肉付けをしていきます。
計画書のそれぞれの項目が持つ役割・目的から肉付けをしていきます。
□何を盛り込んで肉付けしたら良いのかを例を挙げて記します。
⑧(人員):検証作業者に必要な「力量基準」
・「実務基準書」の内容・意味わ把握・理解していること
・「検証作業手順書」を理解、実現出来ること等など
⑥(技術):検証作業の方法(作業手順書)
・「目的」「使用する測定器、及び付帯品・冶具など」「接続構成図」
「作業前の準備」「作業実施手順」「判定」「記録」等など
⑤(運用):検証作業の基準(仕様)を纏めた一覧表
・「対象機器名」「検証項目」「検証ポイント」「判定基準」
「検証の方法」等など
- このように、バリデーションが要求される設備に合わせて、盛り込むべき内容を肉付けすることで、ムダのないスマートな体が出来上がります。
当社ではこのように肉付けしています。
具体例として、⑤(運用)検証作業の基準(仕様)では
①「対象機器名」 ②「検証項目」 ③「検証ポイント」「判定基準」
④「判定基準」 ⑤「検証の方法」の各項目を書類に盛り込んでいます。
- これらを肉付けしたときのSOP(StandardOperatingProcedures:標準作業手順書)や、対象機器の仕様など、根拠を残しておくことも大事なことと考えます。
▼当社のバリデーション実施計画書のイメージ
- このような骨格形成と無駄のない肉付けにより、動かし易く、誰からも褒められる体(バリデーション実施計画書)になっていくと考えます。
運用、実行時の重要なポイント
このように作られたバリデーション実施計画書は、最終的に責任者により承認され発行されますが、実際に書かれたとおりに実行されなければ意味がありません。
[重要な2つのポイント]
①このドキュメント通りに実施することが重要であることを理解する。
②ドキュメント通りに実施できる力量を確認する。
- 実行時には、この2つのポイントをキチンと担保して、バリデーション実施計画書通りに作業を実施することがGMP上重要なことになると考えます。
※当社は、
フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求内容や
定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して頂ける作業を
お届けする努力を続けています。