第297号 現場キャリブレーションに使用する電気炉の冷却方法を調べました。
電気炉は炉内が熱いまま電源を切ってはいけない!
製薬業界では、滅菌・反応や保温等の機能を持った装置が多くあり、現場で温度を測定するキャリブレーション作業が多いと考えます。
□電気炉を使った温度ループの現場キャリブレーション例
現場キャリブレーションでは、このような作業を頻繁に場所を移動して実施しますが、移動するために使用後にすぐ、電気炉の電源を切ると、残った内部の熱で、電気炉の電子回路等を破損してしまう危険性があります。
- そこで、速やかに現場を移動して、次の温度センサの現場キャリブレーションができるようにするために、電気炉の冷却方法毎の冷却時間を調べてみました。
方法によっては、冷却時間が半分になりました!
現場の状況を考えて、三つの冷却方法で実験しました。
1.自然冷却:電気炉の設定温度を下げ、加熱しない状態で、
そのまま放置する。
2.強制冷却(エアポンプ):水槽用のエアポンプで「フー」と
空気を炉内に送風する。
3.強制冷却(圧空):コンプレッサー等で作った圧縮空気を
「シュー」と炉内に送風する。
[測定状態の概要]
[測定結果]
□測定結果から
・電気炉の電源をOFFして、今回実験した電気炉を持ち運ぶことができる温度
(約200℃)を見てみると
⇒強制冷却(圧空)が最も早く冷却され、自然冷却の半分になりました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
異なります。
それぞれの冷却方法の特徴を生かした使い方を選ぼう!
それぞれの特徴を整理しました。
■どの冷却方法を選ぶかは
これらの特徴を考慮して「現場の状況」「準備や使い易さ」に応じて
現場に見合った冷却方法を決めたら良いと考えます。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。