第299号 病院からマーズ対策に関わるお問い合わせを頂きました。
病院からのお問い合わせはMERS(マーズ)対策の確認でした。
ホームページから頂いたお問い合わせは、病院でマーズ患者を受入れるときに病室や集中治療室から、廊下や隣室に菌が移らないような感染対策の現状を調べるものです。
仕事とはいえ、こんな身近に、今話題になっているMERS(マーズ):中東呼吸器症候群の話が出てきたことに正直驚きました。
■具体的なお客様のご要望は
「室内の圧力が廊下や前室より低くなっていることを確認する」内容です。
当社では、菌については不得手のため、まずは、マーズ対策(感染対策)にはどんな決め事があるのか調べてみました。
室内圧の管理が重要になっていました。
病院設備の感染対策を定めているものとして「病院設備設計ガイドライン(空調設備編)病院空調設備の設計・管理指針:HEAS-02-2013」があることが分かりました。
このガイドラインのなかで、当社が関わってくるものを[抜粋]すると
□室内圧を管理するためには
隣接する空間に対して、陽圧や陰圧に設定して、
空気の流れをコントロールしなければならない
□その室内圧の管理を行う方法は2つあり
①室圧管理では
マノスターゲージ(微差圧計)を設置すると差圧を常時監視することが可能。
また、必要な時にマノスターゲージを持ち込み計測することも可能。
代表的な管理目標値は「空気感染隔離:-2.5Pa」
②気流管理では
扉隙間の隙間風方向(気流方向)をスモークテスター(煙管)などにより確認。
マノスターゲージ(微差圧計)を設置すると、針の振れ方向(陽圧側/陰圧側)
による目視による確認が可能。
となっていますので、この管理方法の2つの具体的な測定方法を考えてみました。
製薬工場等でのクリーンルームの適格性評価方法が使える!
ガイドラインを調べると、この2つの測定方法は、当社が製薬や医療機器製造工場などのクリーンルームで実施している室間差圧測定と気流可視化の方法と同じものだと考えられます。
□室圧管理⇒当社の室間差圧の測定方法例
□気流管理⇒当社の気流可視化の測定方法例
■このように、ガイドラインが求めている室圧管理・気流管理とも、どちらも測定が可能と考えます。
差圧を数値で知りたい場合は、室圧管理の方法で!
室内の圧力が隣より低いことを確認するには、前出の2つの方法があります。
□今回のケースでは、できれば差圧を測定したいというご要望のため、
「室圧管理⇒当社の室間差圧の測定方法例」を選ぶことになります。
でも、扉の下等のすき間が多いと、空気が漏れてしまい、差圧計の値がいつも『0』の状態になってしまうのではと疑問に思いました。
■そこで、どれぐらいのすき間だったら、差圧として測定できるか
(圧力が立つのか)を知りたくて調べてみることにします。
※当社は、
フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。