第322号 トラック輸送(混載)での温度を実測しました。(GDPに対応として)
GDP規格は医薬品流通の新たな規制になります。
「GDP」とは→Good Distribution Practicesの頭文字で、(医薬品の)適正流通基準になります。
□今までの医薬品の流通は、
昭和51年に初版が発行されたJGSP(Japanese Good Supplying Practice)によって「医薬品の供給における品質管理と安全管理」が実現され、今でも業界の自主基準として運用されています。
□最近、新たな規制として
・2014年に日本の規制当局がPIC/S(医薬品査察協同スキーム)へ
45番目に加盟した。
・欧米での医薬品流通に係る法規・ガイドラインであるGDPが相次いで
整備されている。
・国際調和の観点からも国内におけるGDPの導入が急務になっている。
□GDPの適用範囲
GDPはGMP工場に入るまで、又GMP工場から顧客までの全ての
輸送・保管に関する行為に適用される。
※このような輸送をした場合、実際どのような温度の変化をするか
気になり、調べてみることにしました。
温度計を使って、実輸送テストを実施しました
製品に見立てた温度計をトラック輸送の宅急便で送付して、データを収集しました。
□輸送した温度ロガーと梱包の状態
名称:おんどとり
メーカ:T&D
型式:TR-72wf-H
仕様:-30~80℃(精度±0.3℃)
[梱包の状態]
□輸送の経路と日時
[測定結果とグラフ]
□温度の経緯を辿ってみると
集荷①され、トラックに積み込まれると(外気温の低下とともに)温度は低下して、ほとんどそのままの温度状態で、配達されていました。
また、朝方に温度が最も低くなっているのも外気温に影響されていると思われます。
(今回の測定では輸送時の外気を直接測定していませんが、
場所・時刻から分かるポイントでの気象データを外気温度としました)
このように実測することで、宅配便(混載)輸送時での温度変化の状況が分かります。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により
計測値は異なります。
実輸送テストで、実際の製品温度を検証でき、安心できる!
現実での輸送においては、混載であったり、専用の輸送であったり、また、保温の仕方などによって、製品の温度は大きく変わることになると考えられます。
■そのような時も、
実輸送テストで、自社で決めた温度範囲内で輸送できていることを
確認することが重要なポイントと考えます。
GDP規格が要求している温度マッピングも支援しています。
当社では、倉庫・保管庫などの温度マッピングでも、GMP工場や物流倉庫などでの支援実績が多々ありますので、きっとお役に立てると思います。
■校正・バリデーション支援業務を専門でやっている企業ならではの
視点で、具体的なご提案をしています。
お気軽にお問い合せください。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。