第325号 ホットスターラーの設定温度と撹拌物の液温差は、外部温度センサを使うと大幅に改善された!
ホットスターラーの設定温度と実際の液温は大きく違うことが分かりました。
前回のメルマガ(実験)でご紹介したように、3種類のビーカーの設定温度と液温の差は、
▲最大では-41.4℃(at500ml細:90℃)
▼最小でも-13.6℃(at1000ml:50℃)
にもなることが分かりました。
□その理由としては
ビーカーから大気中へ放熱、撹拌時に冷たい周囲の空気が
混入している、ホットプレートの温度制御の仕方などにより、
発生していると考えられます。
⇒この温度差を小さくする方法を実際の使用時のことも考えて対策を
とろうとすると大気放熱や空気混入は対策が複雑で現実的では
無いと考えますので
ここでは、外部温度センサで、実際の液温の温度を測って、ホットプレートを制御するタイプを取り上げて実験することにしました。
ホットスターラーの設定温度と撹拌物の液温差は大幅に改善されました!
この実験は、500mlのビーカーに水を入れて、外部温度センサで制御された設定温度毎の液温を測定します。
[実験の概要]
1.ビーカーの下部に外部温度センサと測定用温度センサをセットし
2.ホットスターラーの温度を50、60、70、80、90℃に順次設定します。
3.各設定温度毎に、おおよそ2時間後の温度データを収集する。
[測定システムの概要]
[測定結果とグラフ]
ビーカの種類:500mlの太タイプ
水量:500ml
回転数:500rpm
□液温度の平均値は
全ての設定温度で、設定温度とほぼ同じ温度になりました。
⇒このように、外部温度センサを使用しなかった場合(前回の実験)
より大幅に改善されることも分かりました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により
計測値は異なります。
しかし、実際の液温は上下変動を繰り返すことも分かりました。
>>例えば、設定温度が70℃の測定結果は
となりました。
■このホットスターラーでは、70℃設定において、液の
平均温度は70.1℃であっても、±6℃の温度変動を
していることが分かりました。
※GMPでは設備・装置の適格性の評価として、
このような測定作業を実施し、ホットスターラーが目的とする
用途通りに稼動しているかどうか確認する必要があります。
適格性評価のことは、当社にお気軽にお問い合せください。
>>このような測定作業は
OQ:運転時適格性評価、PQ:性能適格性評価としてご提供しています。
□適格性評価では、医薬品・医療機器等の製造工場(研究所)、
研究機関のCPC、食品工場(研究所)等での実績がありますので、
当社業務がきっとお役に立てると考えます。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。