第326号 GMPの2つの規格(バリデーション基準&CSV)は似たことを要求している?
今回は、
『バリデーション基準の適格性評価』と『コンピュータ化システム適正管理ガイドラインの検証業務』では同じようなことが要求されているが何が違うのか?』
というお問い合わせについて当社の見解をご紹介します。
お問合せの背景を考えてみました。
私たちの身の回りにある多くの機械は、ほとんどといっていいぐらいコンピュータで動いています。
ロボット、自動車、飛行機、ロケットから冷蔵庫、掃除機など、多くの分野で人間の変わりをしてくれています。そして、今では人間の能力を遥かに超えたところで活躍をしています。
■薬や医療機器の製造装置も例外でなく、
コンピュータが製造しているといっても過言ではないと思います。
□こんな時代の流れのなかで、
コンピュータを使っていない装置は昔から動作確認をやっているが、
コンピュータを使った装置となるとどのように動作確認したら良いか
困られる方も多いと思います。
2つの規格には、同じ名称の要求がある。
小難しい話になりますが、2つの規格には同じ名称(各段階)の要求内容があります。
その一例を記します。
※次に、名称の同じ各段階の要求内容を実務レベルで考えてみたいと思います。
規格要求の違いは、コンピュータを使っているか、使っていないか?
>>2つの規格要求を実務レベルで考えてみると
例えば、
①設計時適格性評価(DQ)では
バリデーション基準の「目的とする用途」との言葉は、コンピュータ化システム
適正管理ガイドラインの要求仕様書に記載する内容になるので、2つの規格とも、
同じ内容が実現できることを確認することを要求しているといえます。
即ち、
バリデーション基準は、
どんな装置・機器にも合うように一般的に書いてあり、コンピュータ化
システム適正管理ガイドラインはコンピュータに視点を置いて書かれた
ものですが、要求内容は同じと考えて良いと思います。
■このように規格要求を解釈すると、
各段階とも2つの規格の実務レベルは同じことを
実施しても良いことが分かります。
従って
・コンピュータを使っていないシステムはバリデーション基準に
・コンピュータを使っているシステムはコンピュータ化システム
適正管理ガイドライン
に沿って実施すれば良いと考えられます。
実務では、2つの規格を組み合わせて実施すると良いと考えます。
現場の設備や装置のほとんどがコンピュータで動いていることを考慮すると
□コンピュータ化システム適正管理ガイドラインの要求に従って、
装置・機器自体を確認し
□装置・機器の全体をバリデーション基準に基づいて確認する
という2つの規格を組み合わせて実施することになると考えられます。
規格が要求する適格性評価のことは、当社にお気軽にお問い合せください。
このようなDQ、IQ、OQ、PQの適格性評価作業のほかキャリブレーション(校正)作業やバリデーション実施計画書の作成作業もご提供しています。
□当社では、
医薬品・医療機器等の製造工場(研究所)、研究機関のCPC、
食品工場(研究所)等での実績がありますので、
当社クオリフィケーション業務がきっとお役に立てると考えます。
※当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、
規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して
頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。