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第327号ホットスターラーの撹拌物内の温度分布はどうなっているのか?

ホットスターラーの攪拌物の温度分布が知りたい?

日本薬局方では、水の具体的な温度を「冷水」10℃以下、「微温湯」30~40℃、「温湯」60~70℃などと決めています。
そして、この局方に記載される試験操作法などでは、一点で温度を示す場合の許容誤差は、通例、±3℃となり、必要に応じ,37±1℃又は32~37℃のように範囲を明確に設定することも決められています。
□このように、 明確に許容誤差が決められているため、
使用しているホットスターラーの撹拌物の温度が、本当にそうなっているか
心配されてお問い合せを頂いているのではと思われます。
※そこで、実際のホットスターラーを使って、ビーカー内の水の温度分布を
 測ってみることにしました。

撹拌物内の上下部2ヶ所の温度差は意外と小さかった!!

この実験は、一般的なビーカーに500mlの水を入れて、設定温度毎にビーカー内上下部の液温を測定します。
[実験の概要]
1.ビーカーの上下部の所定の位置に温度センサをセットし
2.ホットスターラーの温度を50、60、70、80、90℃に設定して、
  それぞれの液温が安定した時(おおよそ2時間後)の温度データを
  収集する。
[測定システムの概要]
HP32813.jpg
[測定結果とグラフ]
HP32702.jpg
HP32703.jpg
□測定結果から
・センサ上下部の温度差は、最大でも0.9℃と意外と小さかった。
  ⇒このように温度差が小さくなったことは撹拌子による
    撹拌による効果が大きいのではと考えます。
   (正直、ここまで差が出ないことに驚きました。)
・しかし、設定値と液温との差は、(以前のメルマガ324号と同じ様に)
 最小でも-15.3℃〈最大で-32.7℃〉と極めて大きな値になりました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
  異なります。

設定温度と液温の差を予め確認しておくことが大事!!

このような実験結果からホットスターラーの旨い使い方を考えると必要な液温になる設定温度を予め確認しておいて、使用時に、都度、求めている液温になる設定温度値を探して使うことになると考えられます。
こうすることで、局方に記載される試験操作法などで決められた水の温度が維持できると思います。
□しかし、
 試験を行うときの作業環境や条件によっては液温が変わったり、
 新しい試験条件が必要になった場合には、その度に、同様の試験を行う
 必要があるなど、少々、使い勝手が悪いものになってしまいます。

必要な温度をもっと簡単に実現したい。

>>こんな使い勝手の悪さを解決するために、
 前々回のメルマガで実験した外部温度センサを使って
 ビーカ内の温度をホットスターラーでコントロールした場合、
 上下の温度差がどれぐらいになるか確認してみます。
※当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
 おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。