第328号ホットスターラーの外部温度センサで必要な液温(平均値)を簡単に実現できる。
日本薬局方の試験操作で必要な液温をもっと簡単に実現したい!
前回のメルマガでは
日本薬局方に記載される試験操作で必要な液温を実現するには、ホットスターラーの設定温度と液温の差が大きい(最小でも-15.3℃〈最大で-32.7℃〉)ために、要求する液温になる設定温度を探すなど結構手間が掛かることなどをご紹介しました。
□そこで
必要な液温を、手間をかけずに簡単に実現できないかを考えてみました。
⇒思いついたのは、
メルマガ第325号で実験した外部温度センサを使ってビーカ内の液温を
ホットスターラーでコントロールする方法です。
※今回は、この方法を使って、ビーカー全体が設定温度通りになるか
実験してみることにしました。
ビーカー内は、ほぼ要求する液温(平均値)になった
この実験は、一般的なビーカーに500mlの水を入れて、設定温度毎にビーカー内上下部の液温を測定します。
[実験の概要]
1.ビーカーの下部に外部温度センサを取り付ける。
2.ビーカーの上下部の所定の位置に測定用温度センサをセットし
3.ホットスターラーの温度を50、60、70、80、90℃に設定して、
それぞれの液温が安定した時(おおよそ2時間後)の温度データを収集する。
[測定システムの概要]
□液温平均値をみると、ほぼ設定温度通りになりました。
⇒平均温度で扱っても良いなら、
外部温度センサを使用すれば、必要な温度を設定するだけで
簡単に実現できることが分かりました。
□液温瞬時値でみると
・全ての設定温度で、規則正しい変動を繰り返した。
・設定値が80℃の時の変動が±6.2℃と最も大きくなった。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により
計測値は異なります。
外部温度センサ使用には、長所・短所があります。
>>今回と過去の実験を考慮すると
□外部温度センサを使ったとき
長所・・・試験に必要な液温をホットスターラーに設定するだけで
液温が実現できる。
短所・・・液温が上下に変動して、一定にならない
(上下変動する液温瞬時値が必要な液温を超える場合がある。)
□外部温度センサを使わないとき(前回の実験より:メルマガ第327号)
長所・・・液温は殆んど変化しない。(液温は安定している。)
短所・・・ホットスターラーの設定温度と液温が大幅に違うため、
簡単に必要な液温が実現できない。
※こんなことにも考慮して、試験操作での要求内容を実現するベターな
方法を選ぶ必要があると考えます。
適格性評価のことは、当社にお気軽にお問い合せください。
>>このような測定作業は
OQ:運転時適格性評価、PQ:性能適格性評価と言われています。
□適格性評価では、医薬品・医療機器等の製造工場(研究所)、
研究機関のCPC、食品工場(研究所)等での実績がありますので、
当社業務がきっとお役に立てると考えます。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。