第331号 病院設備新設時に「バリデーション」という言葉が使われだした!?
病院建設時に、バリデーションが要求される?
最近、病院を新設するときに、バリデーションという言葉が使われだしたようです。
製薬の規格要求になるバリデーションが、何故、病院設備でも使用されることになってきたのか考えてみます。
□本来、バリデーションとは製薬規格のバリデーション基準に決められていて
と定義されています。
⇒簡単に言い換えれば、
製造する設備や装置が思うとおりに動くことを確認しておきなさいと
言うことだと考えられます。
□そして、この思い通りに動くことの確認の仕方には
重要なポイントと順番があります。
簡単に表すと
①思うとおりに動くように設計されているかどうか
②設計どおりに、現場で組み立てられているかどうか
③設計の範囲内で、思う通りに動くか
④使用する範囲内で、思う通りに動くか
⑤決めた通り(思い通り)に3回動かして、同じ様に動いたか
と考えます。
※このように、決めた通りに、キチンキチンと順を追って、
間違いの起こらない設備になっていることを確認することが
バリデーションの肝と言えると思います。
病院設備の確認には、コミッショニング(性能検証)が実施されてきました。
>>病院設備設計ガイドライン(空調設備)HEAS-02-2013には
と表現されています。
⇒コミッショニングで重要な確認項目は
・使用者の求める要求事項が設計図書に反映されているか
・所定の要求事項を発揮するように完成されているか
の2つになると考えます。
コミッショニングよりバリデーションの方が具体的に確認することが決められている!
>>バリデーションとコミッショニングの要求項目を比較してみました。
□即ち、
コミッショニングで実施する項目は、バリデーションで実施する項目より
3つ少ない歯抜けの状態になっていることが分かります。
□対して、バリデーションでは、プロセスを順に追って確認することに
なっています。
確実で安心を求められる病院の設備にもバリデーションが必要となってきたと考えられます。
>>歯抜けのコミッショニングの状態で、現場で起こる状況を考えると
設備を動かしてみたらスムーズ動かない⇒据付け方が拙かったので手直し
電源を入れても設備が動かない⇒配線が違っていたので手直し
高い温度で制御すると目標値にならない⇒熱量不足で再調整
こんな風に、問題が起こる度に、作業が後戻りして、なかなか作業が進まないのであれば順番にキチンキチンとやったほうが良いという考えにもなるかと思います。
⇒そこで、
病院設備においても、決められた通り、キチンと順番に作業を進めていく
バリデーションのやり方が言われるようになったのではないかと思います。
■実際の病院設備の施工においては、バリデーションと同様なことを
実施されていると思いますが、バリデーションという言葉を使うことで、
決め事としてハッキリさせた、と考えても良いと思います。
※当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の
要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して頂ける
作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。