バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

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第338号 GMPの再バリデーションについて考えてみました。

再バリデーションは”何を”、”いつ”、実施したらよいのか?

当社が開催するセミナなどで、再バリデーションの具体的な実施のタイミングや実施の内容についての質問も受けます。
■ このような質問を頂く元には、再バリデーションの実施時期、
  内容について、規格に具体的にキチット定められていないため、
  と考えられます。

規格では、どのように決められているかというと?

GMPのバリデーション基準においては、

再バリデーション
実施対象となる設備、システム、装置、製造工程及び洗浄作業において、バリデートされた状態が維持されていることを定期的に再確認するために適格性評価、プロセスバリデーション及び洗浄バリデーション等を実施し、引き続き目的とする品質に適合する製品を恒常的に製造するため妥当であることを検証することをいう。
実施の必要性、実施時期及び実施項目は、製造頻度、製品品質の照査の結果等を考慮して決定する。・・・

■ 即ち、
 下線の様に、規格(バリデーション基準)では具体的に決まっていない
 ことが分かります。

“何を”実施したら良いか。そして、その注意点は!

再バリデーションでは、今まで動いていた設備・装置はバリデートされた状態が維持されていたと考えますので
設計時適格性評価(DQ)と設備据付時適格性評価(IQ)は実施する必要がないと考えます。
■ 従って、
 適格性評価においては、キャリブレーション(校正)、運転時適格性評価
 (OQ)、性能適格性評価(PQ)を実施したら良いとなります。
◇しかし、キャリブレーション(校正)では
 その作業の都合上、計測機器を設備・装置本体から取り外すことがあり、
 再度、IQを実施する必要があることは忘れないで欲しい。
例えば、温度センサを取り外してキャリブレーションを行った場合は、温度センサを装置に戻す際に、据付時の適格性評価を行うといった考え方、進め方になります。
※ そして、適格性評価が終われば
規格に基づいて、プロセスバリデーション、洗浄バリデーションを実施すれば良いと考えられます。

“いつ”:再バリデーションは1年毎が妥当!

>> 実施時期を考えるにあたっては
前項と同様に、再バリデーションまではバリデートされていたことになりますので設備・装置のバリデート状態が解除されたタイミングが再バリデーションの時期になると考えたらどうでしょうか
□ このように考えると
バリデート状態が解除されるのは設備や装置のメンテナンス時になりますので
このタイミングが再バリデーションの実施時期になると考えます。
従って、一般的には、一年毎に実施実施するという考え方になると思います。

再バリデーションの進め方を纏めてみますと

再バリデーションの進め方は、こんな感じの流れで如何でしょうか

①設備・装置のメンテナンスのタイミングに合わせて

 (一般的には1年毎)

②最初に、対象となる機器のキャリブレーション(校正)を実施し

③キャリブレーション箇所のIQを行い

④OQ・PQと実施したら

⑤プロセスバリデーション、洗浄バリデーションを行う

※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、
 規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に
 満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。