第339号 高精度な精密天びんの傾斜による誤差を測ってみました。
精密天びんは傾斜による誤差が生じる?
ご存知のように、精密な天びんは温度・湿度や振動などの周囲環境やひょう量皿に作用する重力や磁力などの外力によって誤差を生じてしまいます。
□今回は、天びんの重要な取り扱い方のひとつとされる
『水平状態』を取り上げ、傾斜をキチンと調整しなかったときには、
どれぐらいの誤差になるかを調べて
現場で天びんを使うときに、問題なく使用できる状態どうかを気泡をぱっと見て判断できればと考えました。
水準器の気泡を目印にして、7通りの傾きでテストしました。
この実験は、水平状態から傾きを変えたときの測定値の変化を確認しました。
□実験のやり方は
1.水準器の気泡を目印にして、水準調整器で傾きを変える(以下、7通り)
2.傾きを変えたら、風袋引きで天びんのゼロ調整を行う
3.分銅(1g、50g、100g、200g)を載せて測定する。
□実験に使った天びんの仕様
メーカ:メトラートレド
型式:AG285
仕様:ひょう量 210g/81g/41g
最小表示 0.1/0.01mg
やはり、水平状態にしないと大きな誤差を生じる!
□測定結果とグラフ
■このように、後傾、前傾状態になると誤差が大きくなることが分りました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。
ぱっと見て、気泡が丸い表示線内であればOK!
>>本来は、気泡が中央になった状態が正規の使用方法になりますが、
今回の実験では、少し傾いたぐらい(気泡が丸い表示線内)では、
誤差はほとんど発生せずデータとしては使えそうだと言うことも
分かりました。
■このように、
現場での天びん使用時、気泡が「丸い表示線」の内側になっていれば良いというふうに、ぱっと判断することもできることもわかりました。
次回は、測定環境を取り上げる予定です。
次回は、測定環境の中から、電源の変動を実験してお届けしたいと考えています。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。