バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

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第342号「正しく測定するための標準器」の条件確認方法についてご紹介します。

正しく測定するために、標準器はどんなことを確認するのか?

当社では、お客様の仕様に合った測定ができる標準器を選定するために以下の3つを確認ポイントとしています。

①校正有効範囲の確認

 測定するポイント(校正ポイント)が、標準器が校正されている範囲(校正有効範囲)内であることを確認する。

②精度の比較

選定した標準器精度が、測定時の許容値の1/3以下(当社基準)であることを確認する。

(お客様が決めた基準で確認することもあります)

③精度逆転有無の確認

校正点の値より許容値の値が小さいことを確認する。

(但し、校正点が0の時を除く)

※この3つのポイントを具体例を挙げて、ご紹介します。

始めに、測定の一例をご紹介します。

現場では、様々な設備や装置の温度・圧力・流量などの物理量を測定します。
その測定に使用する測定器は、設備や装置の形状や測定温度などによって様々な標準器を選定しますが、ここでは、例として、恒温槽内の『温度測定のイメージ』と『使用する標準器』をご紹介します。
[測定時のイメージ]
この測定は、
 Aのように、恒温槽内に設置した温度センサの信号を記録計に集め
 Bのように、記録計にPCを接続して、
 PCで温度データを収集し、必要なデータ処理を行います。
HP34201.jpg
※今回は、この測定器(記録計+温度センサ)の確認の仕方を記します。

当社が使っている運用の様式と使い方をご紹介します。

「使用標準器の妥当性確認表」という様式を使って、測定作業に使用する標準器の妥当性を確認しています。
HP34215.jpg
[使い方]
1.お客様と打合せした資料を基に、「1st」の項目を入力する。
2.「1st」の入力項目をキーにして、専用の測定器管理システムから
 マッチする測定器を選出し、「2nd」に入力する。
3.マッチした測定器から「3rd」:校正有効範囲を確認し入力する。
4.選んだ測定器の精度を計算して「4th」に入力する。
5.①②③の項目が自動的にジャッジされる。
 但し、①有効範囲:マッチしないときは、『範囲外』と表示
    ②標準器精度1/3以上:満足しない場合は、『確認要』と表示
    ③校正点<精度逆転:校正点<許容値が満足しない場合は
     『確認要』と表示
6.最終ジャッジ「レ」がされない場合、中断して、再検討を行う。

仕組みを使って、お客様のご要求に確実にお応えします。

このように確認した標準器を使用することで、それぞれの確認ポイント毎に
 ①では、測定器の有効性が保証される。
  (トレーサビリティがつながる)
 ②では、標準器の精度に一定の区切り(1/3以下)ができる。
 ③では、許容値設定が妥当かどうか再確認できる。
が実現できます。
□これらによって、お客様の要求に確実にお応えできる測定作業をお届けしています。
※当社は、フィールドで校正や適格性評価を実施する立場から、
 運用の仕組みを具現化(具体化)して、お客様に満足して頂ける
 作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。