第344号 輸送時に使用する保冷剤(ドライアイス)の形状の違いによる温度への影響?
「クラッシュしたドライアイス」と「スライスしたドライアイス」では冷え方が違う?
□「クラッシュドライアイス」をネットで調べてみると、
ドライアイスはその形状から、レンガ状のブロックドライアイスや雪状のスノーアイスなどがあり、クラッシュドライアイスはペレットドライアイスとスノードライアイスの混合物であることが分かりました。
■今回は、
発泡スチロールBOX内の冷え方を情報を頂いたクラッシュ(ペレットとスノーの混合)のドライアイスとスライスドライアイスで調べました。
同じ量のドライアイスの温度変化は結構違いました!
今回の実験は、発泡スチロールBOX(256mmx196mmx124mm:6.2L)を2台用意し、各々にクラッシュタイプのドライアイスとスライスドライアイスを入れて温度を測定しました。
[ドライアイスの入れ方の概略図]
それぞれのドライアイスをBOXの底に置く
[実験の概要]
1.BOX内にドライアイス(クラッシュ、スライス)を設置する。
2.BOX内の中央のふた下5cmに温度センサを設置する。
3.BOX付近の外気温(周囲温度)も測定する。
4.各温度データを収集する。
[測定システムの概要]
[使用測定器の仕様]
・データ収集装置
メーカ:横河電機
型式:DA100
・温度センサ
テフロン被覆T熱電対クラス1
[発泡スチロールBOX]
内寸256mmx196mmx124mm
外寸314mmx255mmx175mm
厚み20mm(底面)、25mm(側面)前後(凸凹の薄いところで)
[測定結果のグラフ]
□測定結果から
・①のクラッシュドライアイスの温度が最も下がった(約-15℃)
・②のスライスドライアイスは温度の下がりは少なかったが(約-7℃)、
温度の上昇は緩やかで低い温度を①よりも長い時間保った。
このように、ドライアイスの形状で、「下がる温度」や「低い温度を維持できる時間」に違いがあることが分かりました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。
より温度を低くするには(ドライアイスの)表面積を大きくする!!
ドライアイスは固体から気体になるときに熱を吸収して、ドライアイス周りの温度を低下させているのでドライアイスの表面と周りの空気と接している面積が広いほど熱が吸収され易いため温度が下がるということになると思います。
今回の実験においても、クラッシュしたドライアイスの表面積は大きくなるため、温度が下がりました。
□このように、
ドライアイスと空気に接する面積によって、冷え方が違ってくると考えます。
※例えば、温度を下げるには、①のように、ドライアイスと空気の接する面積を大きくすれば良いということになり、今回頂いた情報ともマッチしました。
次々回はドライアイスの量を増やして確認してみます。
今回の実験で、①のように、温度が低くなると、低い温度を維持する時間が短い(長持ちしない)ということが起こりました。
この時には、ドライアイスが無くなってきているのではないかと想定できますので
■そこで次々回は、
ドライアイスの量を増やして温度の変化を調べてみることにします。
※当社は、この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。