第346号 輸送時に使用する保冷剤(ドライアイス)の量の違いによる温度への影響?
ドライアイスの量を3倍にするとBOX内の冷え方がどんな風になるか調べました。
前回のメルマガ第344号では、「クラッシュしたドライアイス」と「スライスしたドライアイス」をそれぞれ0.5kg使って実験しましたが、今回はそのドライアイスの量を0.5㎏⇒1.5㎏と3倍の量にして「低温(0℃以下)の保持時間」と「最低温度」を測定しました。
思っていたように、「低温(0℃以下)の保持時間」は大幅は伸びました。
今回の実験は、発泡スチロールBOX(256mm x 196mm x 124mm:6.2L)を2台用意し、各々に「クラッシュタイプのドライアイス」と「スライスドライアイス」を入れて温度を測定しました。
[ドライアイスの入れ方の概略図]
それぞれのドライアイスをBOXの底に置く
[実験の概要]
1.BOX内にドライアイス(クラッシュ、スライス)を設置する。
2.BOX内の中央のふた下5cmに温度センサを設置する。
3.BOX付近の外気温(周囲温度)も測定する。
4.各温度データを収集する。
[測定システムの概要]
[使用測定器の仕様]
・データ収集装置
メーカ:横河電機
型式:DA100
・温度センサ
テフロン被覆T熱電対クラス1
[発泡スチロールBOX]
内寸256mm x 196mm x 124mm
外寸314mm x 255mm x 175mm
厚み20mm(底面)、25mm(側面)前後(凸凹の薄いところで)
[測定結果のグラフ]
□ 前回と今回の測定結果を比べてみると
[保持時間では]
クラッシュ、スライス共、「低温(0℃以下)の保持時間」が前回(0.5kg)より3倍以上になった。
[最低温度では]
クラッシュ、スライス共、-20℃ぐらいまで下がった。
また、今回もクラッシュの方が低い温度になった。
■このように、
ドライアイスの形状と量で、「最低温度」や「保持時間」に
違いがでることが分かりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。
使用目的に見合ったドライアイスの形状と量を決めて、温度測定で確認を!
前回と今回の実験から、ドライアイスの量と形状によって、温度や保持時間を変えることができることが分かりましたので
■ 実際の使用条件に合うように
選定したドライアイスの形状、量や断熱のケースで、
BOX内の温度を測定しておくことが大事と考えます。
※ 当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、
お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。