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第348号 溶解用純水の汚れが導電率標準液に及ぼす影響を調べました。

導電率標準液は溶解用純水の汚れが影響するのか?

導電率計の校正に使用される導電率測定用の塩化カリウム標準液は、「第17改正日本薬局方の一般試験法:塩化カリウム標準液」において、
HP34810.jpg
と取り決められています。
□ このように、
 導電率標準液は溶解するために純水を使っていますので、前回の
 メルマガの実験のように、純水が汚れると考えます。
 そこで、その汚れが標準液の値にどれぐらい影響するか調べてみました。

導電率標準液の値も変化した!

今回の実験は導電率標準液をガラス製のビーカに入れて大気中に放置し、同ビーカ内に導電率計を浸漬させて、連続的に温度補償された電気導電率を測定しました。
[使用した測定器]
・導電率計
 メーカ:Mettler-Toledo Thornton,Inc
 型式:M300 1ch 1/4DIN 240-201
HP34720.JPG
・導電率標準液
 導電率測定用の塩化カリウム標準液
 133μS/cm@20℃
 ・・・今回は室温で、温度補償有りで測定します。
[測定結果のグラフ]
HP34850.jpg
[実験結果から]
・前回の純水の傾向を少し示した(上がり勾配)ため、純水の汚れが
 標準液の値に少しは影響していると考えられます。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により
  計測値は異なります。

校正時は標準液でセルを共洗いする!!

前回と今回の実験から、標準液を使って導電率計の校正を行うときの注意点を考えました。
□ 標準液で共洗いを!
 校正時、セルを純水で洗浄する場合
 洗浄に使用する純水自体の導電率が変化するので、セルを洗浄したあとには
 次に、校正に使用する標準液で2~3回共洗いをして、セルに付着した純水を
 洗い流すと良いと考えます。
※ 日々の校正作業で行っている共洗いが、重要な作業工程であることが
 実験結果から再認識できました。

次回は、標準液の温度変化を調べてみます。

「第17改正日本薬局方の一般試験法:塩化カリウム標準液」の3.2装置の適合性の項目には、
HP34851.jpg
と記載されています。
□ 校正作業を実施する現場は様々で、温度を精密に一定にすることが難しいため、
 温度によって標準液の値がどれぐらい変わるか調べてみることにします。
※ 当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、
 お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。