第350号 主な規格に適合できそうなバリデーションの実施段階の提案
規格にはバリデーションに関して様々な要求がされています。
当社が関与するバリデーションを要求している主な規格と実施段階をまとめると下表のように、規格によって要求事項に○印が有ったり無かったりしていることが分かります。
□当然、
バリデーションでは該当する規格に沿った項目を実施すれば良いのですが、現場視点では、それぞれの規格で抜けている段階(△、-印)を実施しないとバリデーションとしてスッキリとしないのも現実です。
次に、一例(バリデーション基準)を挙げてご紹介します。
バリデーション基準の文面だけではスッキリ理解できない!
バリデーション基準のOQ(運転時適格性評価)は、次の様に定義がされています。
上記の「校正された計測器を使用すること」の文面だけをみると
□『OQを実施するために測定に必要な計測器を校正しておくこと』
だけをすれば良いとみえます。(下図A)
□もうひとつの意味として
『設備に付属している計測機器を校正すること』も含まれていると
考えられ、実際の現場では、OQ作業で操作(設定)する計測機器も
正しいことを証明しています。(下図B)
※この様に、「校正された計測器を使用すること」には、
①『OQを実施するために測定に必要な計測器を校正しておくこと
②『設備に付属している計測機器を校正すること』
の二つの意味合いがあり、少し分かり難く、スッキリしないと
考えられます。
スッキリできるバリデーション段階の基本形をご提案!
現場視点で、バリデーションの流れに見合った実施段階の基本形を考えました。
【当社が提案するバリデーション実施段階の基本形】
■この流れが、当社が提案するバリデーションの基本形です。
どの規格でも、まずは、この基本形で考えれば良いというものです。
少しは、スッキリして頂けたのではないでしょうか。
しかし、実際の現場では、バリデーションの実施段階は千差万別!
当然、この実施段階はバリデーションの責任者になる設備の使用者が決められますので、一概に、この基本形でなければならないというものではありません。
■当社は、まず、この基本形でご提案しています。
基本形が、お客様の決め事との相違したり、規格の要求と相違したりしますのでお客様との細かい打合せや調整を行い最終的な形を決定しています。
※当社は、
フィールドで校正や適格性評価を実施する立場から、規格の要求内容や
定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする
努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。