第352号 計器の自己発熱によるBOX内の温度変化とその影響!
温度を測定する(測温抵抗体式)温度指示計の温度影響も調べました。
前回のメルマガでは、アイソレータと呼ばれる比較的信号が大きい計器の影響を調べましたが小さい信号で動いている計器は、違った温度の影響がでるかもと思い、調べてみました。
□この実験では、
温度を測定している(測温抵抗体式)温度指示計を使って、
BOX内の温度変化と温度指示への影響を調べました。
〈実験に使った温度指示計〉
型式:SDC26
入力:Pt100Ω
メーカ:Azbil
BOX内部温度は4時間程で、26℃→約34℃まで上昇し安定した。
BOX内に温度指示計(1台)アイソレータ(2台)とDC電源(1台)を入れて、温度指示計の表面温度、BOX内部温度と温度指示計の表示値に与える影響を調べました。
(計器の数は、前回の実験より、1台(温度指示計分)多い状態の実験になります。)
[測定システムの概要]
[測定結果のグラフ]
※但し、
上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
異なります。
□測定結果から
- 温度計表面温度は26℃から4.5時間後に35℃まで上昇して安定した。
- BOX内温度は26℃から4.5時間後に34℃まで上昇して安定した。
- その結果、温度指示値は電源投入後4.5時間で約0.2℃下がった。
- BOX内温度は前回メルマガの温度(約27℃)より7℃(約34℃)高くなった。
※これらの結果から、温度指示計も、変換器(アイソレータ)同様、
BOX内の温度に影響されたと考えられます。
小さい信号で動いている計器はより慎重に!
今回の実験で、前回メルマガよりもBOX内の温度が上昇したのは温度計の発熱した分がプラスされたと考えられます。
□やはり、BOX内の温度は、
・BOX内に格納する変換器の数
・BOX内に格納する変換器の種類
・BOXが設置される周囲温度
・変換器の電源電圧
などに影響され、校正作業毎に安定時間が違うことが考えられますので、都度、内部温度が安定したことを確認して校正作業を実施することが大事と考えます。
更に、この実験のように小さい信号の計器(測温抵抗体式温度計、熱電対式温度計など)はより慎重に、温度が安定しているを確認することが重要と言えると考えます。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、
お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。