第354号 メーカでない当社が根拠が要求されるバリデーション業務をどう行おうとしているのか?(その2)
バリデーション作業には、根拠が求められている!
設備や装置のメーカでない当社が根拠が要求されるバリデーション業務をどう行おうとしているのか?
■結論から記しますと
「機能関連図」と呼ぶ設備・システムを構成するそれぞれの
機器の機能を関連付けた表を作成して根拠を明確にしています。
【その「機能関連図」は】
1.最初に、設備・システムに要求される機能を明確にします。
バリデーション実施対象の設備・システムには必ず機能が
要求されています。
例えば、冷蔵庫には(低温)保管という機能、滅菌器には
“滅菌”という機能という感じになります。
2.次に、設備・システムに要求される機能を実現するための
構成する機器等を関連付けます。
3.そして、構成する機器等が実現しているそれぞれの機能を
付記します。
※このような当社独自の考え方で、バリデーションの
対象となる設備・システムの機能関連図を作成します。
「機能関連図」の具体例をご紹介します。
製造支援設備:クリーンルームの機能関連図例
□各々1.2.3.は次の様に記載しています。
1.クリーンルームに求められる機能
①空気中における浮遊微粒子、浮遊微生物を限定された
清浄度レベル以下に管理する。
②温度、湿度、圧力などの環境条件について管理する。
2.求められる機能を細分化
①限定された清浄度レベル以下の管理
3.エアーシャワーに求められる機能
対象物(人・物)に付着している塵埃の清浄な空気流での
強制除去
■このようにして、「設備・システムの機能」と「構成する
ひとつひとつの機器の機能」との関連を明確にします。
機能関連図から具体的なバリデーション作業が導き出せる!
機能関連図で現される機能の実現を妨げる事象から、バリデーション作業を明確にすることができます。
【例えば、クリーンルームの3.エアーシャワー装置では】
機能は、対象物(人・物)に付着している塵埃の清浄な空気流での強制除去とした場合
■このように、機能を明確にすることで、具体的な
確認する方法(バリデーションの作業)まで導き出すことが
できることになります。
最後に、規格に合わせ込むとバリデーション作業が組み上がります。
ここで取り上げたエアーシャワーでは
ドアーのインターロックなどの機械的な検証は
⇒IQ(設備据付時適格性評価)
空気量や圧力などの測定による検証は
⇒OQ(運転時適格性評価)
等々を計画/実施することで規格の求める根拠あるバリデーションを実現する近道になります。
※当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、
規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に
満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。