第359号 [IQシリーズ]半導体圧力センサは取付姿勢で出力値が変わるか?
半導体圧力センサは取り付け姿勢に影響されにくい!?
前回のメルマガの実験で、圧力センサは(精度範囲内ですが)周囲温度に影響されることが分かりました。
なお、このセンサは”垂直取付で調整されたもの”とカタログに記載されています。
そこで今回は、同じセンサを使って、出力に影響を及ぼしそうな「圧力センサの取付姿勢」ではどんな感じになるかも調べてみることにしました。
[実験に使った圧力センサの概観:前回と同じもの]
思っていたように、出力はどんな取付姿勢でも“殆ど”変化しなかった!
この実験は、下図のように、圧力センサを接続ネジ部が「下向きの垂直」から「上向きの垂直」まで、5方向に取り付けて、各校正圧力(校正点)での圧力センサの出力値をデジタルマルチメータ(DMM)で読み取りました
□実験の測定システムの概要
[使用測定器の仕様]
・圧力モジュール
メーカ:Druck
型式:PM620/DPI620G
・デジタルマルチメータ
メーカ:HEWLETTPACKARD
型式:34401A
□測定結果とグラフ
[取付姿勢と出力値のデータ]
[校正点(基準)と圧力センサ出力値の差データ]
[校正点(基準)との差のグラフ]
■実験結果より
・どの取付姿勢でも、校正点(基準)と出力値との差はほとんど同じになった。
(グラフの線が重なっています)
⇒今回の実験の結論としては
取付姿勢が変わっても、出力値は変化しないことが分かりました。
※但し、上記の実験はあくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。
この圧力センサは取付姿勢の影響を受けにくい構造と考えられます。
今回実験に使用した圧力センサのメーカ資料によると、下図のような構造になり機械的に可動する部分(位置により変動する要素)がありません。
⇒そのため、圧力が一定であれば取付姿勢が変わっても、
圧力センサモジュール(半導体圧力センサ)の電気信号は
変化しない結果になったと考えられます。
機械的な可動部がある機器の取付姿勢による影響例はこちら。
>>マノスターゲージの取付姿勢による誤差
取付けた状態(使用状態)で精度確認することをお勧めしています。
今回の半導体圧力センサーのように、カタログに取付姿勢が垂直とか水平とかの条件が記載されている場合は、実際の現場環境が調整条件と変わることがありますので、必ず、使用環境で精度確認することをお勧めしています。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。