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第360号 [IQシリーズ]半導体圧力センサの負荷抵抗の影響を調べました。

半導体圧力センサの信号(4-20mA)には接続する計測機器の数に制限がある!

ご存知のように、半導体圧力センサの出力には負荷抵抗という制限が設けられています。

今回の実験に使用した圧力センサは、
「電流出力の時、負荷抵抗:500Ω以下」
と記載があります。

□ そのため、
 接続機器に付属する(機器が持っている)抵抗値(下図の場合250Ω/台)の総和を、
 500Ω以下にする必要がありす。

例えば、
hp36001
この例では、圧力センサの出力にはAパネルの調節計、Bパネルの記録計の2台を接続できる、ということになります。

■ そこで、今回の実験は(間違って)負荷抵抗の値が500Ωを超えてしまったとき
 どんな影響がでるのか調べてみました。
 (上の例でいくと計器が3台以上繋がったような状態)

[実験に使った圧力センサの概観:前回と同じもの]
hp35805

負荷抵抗が750Ωまでは問題なく出力しました!

この実験では、下図のように、可変抵抗器を圧力センサの出力に接続し負荷抵抗の代わりにしました。

実験の進め方は
・可変抵抗器を250、500、750、1000Ωと段階的に変化させて
・各校正圧力(校正点)での圧力センサの出力値をデジタルマルチメータ(DMM)で読み取りました。

□ 実験の測定システムの概要
hp36011

[使用測定器の仕様]
・圧力モジュール
  メーカ:Druck
  型式:PM620/DPI620G

・デジタルマルチメータ
  メーカ:HEWLETTPACKARD
  型式:34401A

□ 測定結果とグラフ

[負荷抵抗値と出力値のデータ]
hp36050

[校正点(基準)と圧力センサ出力値の差データ]
hp36051

[校正点(基準)との差のグラフ]
hp36012

■ 今回の実験の結論としては
負荷抵抗が750Ωまでは、各負荷抵抗値の出力値に殆ど差がなかったので、実験のような配線であれば、同じような250Ωを付属する計測機器だと3台まで接続できることが分かりました。

仕様書の「500Ω」から考えると、遠距離伝送時の配線の抵抗分などを考慮して、少々余裕を持たせてあると考えられます。

※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。

現場ではループで確認することをお勧めしています。

現場の計測機器の接続では、ここでご説明したようなシンプルな接続ばかりではないのが現状だと思います。
そして、負荷抵抗には配線の長さも含まれるので、現場の配線距離等によっても影響を受けることになります。

□従って、IQ(設備据付時適格性評価)では、下図のようなループキャリブレーションをお勧めしています。
hp36013

(参考)
当社ではこのキャリブレーションをIQ作業での模擬ループキャリブレーションと呼んでいます。

※ 当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。