第366号[IQシリーズ]設備据付時適格性評価(IQ)の本質を考えてみました。
規格から離れて、設備据付時適格性評価(IQ)の本質を考えました。
このような問いを受けると、「規格に書いてある」「規格の要求」という答えをする人が多いと思います。私もその一人ですが。また、
とさらに聞かれたら「納入・設置業者が行う設置時の確認項目」と答える人も多いと思います。これもまた、私もその一人です。
実際、IQは納入・設置業者(サプライヤ)の関連図書をファイリングしておしまい、という場合もあると思います。
しかし、この解では、「なんでやらないといけないのか」「やりすぎでないのか」とか「これで大丈夫」とかたくさんの疑問が湧いてくるのではないでしょうか。
設備据付け時適格性評価は“IQで必要なこと”が事実確かにそうなっていることを「立証」すること。
とすると、その“必要なこと”が何かが掴めないと、何故実施しなければならないのか、何を確認すればよいのか、の答えにたどり着けそうにありません。
■そこで、キチンとした答えを見つけるために、一度、規格から離れて、IQの最も大事なことを探すことにしました。
IQは使用者が安心して使える装置であることを確認することと気がつきました。
設備据付時適格性評価(IQ)を何故実施しなければならないのか?を考える上で、最も大事なことは「装置を安心して使えるように据え付けられていることを確認する」と考えることにしました。
■現状、現場のIQとしては以下のような内容が挙げられます。
・種類・定格
・設置条件
・環境条件
・型式
・付属品の内容
・設備の走査
・設備の運転
・設備の保守
・固定状態
・配管接続確認
・配線接続確認
・材質確認
・絶縁抵抗確認
・接地抵抗確認
・溶接確認
・傾斜・液溜り
・材質確認
・漏れ検査
・清掃確認
・通電後の状態
・絶縁状態
・関連した計器
・手動操作
・運転
・安全機能
・異常検出
これらを”装置を使用する側(使用者)”から見たときに、IQで最も重要になることは何かを考え、実施項目を決定する重要な5つの観点にたどり着きました。
1.装置の目的を達成できること
2.装置の能力を発揮できていること
3.作業者が怪我をしないこと
4.火災・水漏れなどの災害を起こさないこと
5.装置に異常をきたさないこと
※このように、使用者の視点で考えたことで、規格では言い表わせない設備据付時適格性確認(IQ)の実施項目を導き出す重要な5つの観点があると気がつくことができました。
例えば、導き出した観点で圧縮空気で何を確認するかを考えると
5つの観点から(圧縮空気の一例として)
■というように、5つの観点から考えることで、IQで確認する内容が何故必要なのか、その理由が明確になることが分かりました。
納得できる設備据付時適格性評価(IQ)になると考えます
このように、5つの観点から考えることによって
・ 規格に頼り過ぎない納得できるIQが実施できる
・ 監査官等の第三者にキチンと説明できる
・ 使用者としてバリデーション(適格性評価)の責務を果たすことができる
など納得感のある設備据付時適格性評価(IQ)が実施できると考えます。
※当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、
規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、
お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。