第367号 エアコン等の暖房気流による恒温水槽温度への影響!
キャリブレーション(校正)等に使用する恒温槽内温度は暖房気流に影響される?
この時期、エアコン等で暖房された場所で、恒温水槽を使ってキャリブレーション(校正)を行うことがあります。
□この作業では、恒温水槽の水面等に直接暖房気流があたって、槽内温度の変化が想定できるため、なるべく使用を避けることにしていますが作業現場の状況や制約でどうしても使用しなければならないときがあります。
※ そこで、社内で実際に状況を作って、暖房気流による恒温水槽内の温度状況を調べてみることにしました。
測定6ヶ所で「最大温度と最小温度の差」が0.6℃も生じました!
この実験は、エアコンの暖房気流が直接あたる場所に恒温水槽を置いて槽内6ヶ所の温度をモニタリングしました。
[測定システムの概要]
[恒温水槽を30℃で制御した時の測定結果(平均温度)]
□ 測定結果から
本来の温度調節精度(±0.1℃)より大幅にダウンするため、校正仕様によっては暖房気流のあたる場所では使用できないと考えられる。
暖房気流が直接あたる場所での作業は避ける!
暖房気流が恒温水槽にあたる場所で作業をするには、暖房気流によって槽内温度がどれぐらい変化するかが分かれば良いように思います。
しかしながら、今回の実験の様子から槽内温度変化には、風のあたる方向、風量、風の温度など様々な要因が重なり合っていると思われ、温度の変化量を簡単に知ることは難しいと考えます。
□ 従って、現状ではキチンとした風除けをしたり、全く風のこない場所を選ぶなど、暖房気流が直接あたる場所での作業を避けることが無難だと考えます。
温度変化を改善する方法を考えてみます。
どうしても、暖房気流があたる場所でしか作業が出来ないことを考え、少しでも改善してみたいと思います。
次回、改善の方法とその結果(データ)をご紹介しようと思います。
※ 当社は、この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。