第386号 OQ(運転時適格性評価)とPQ(性能適格性評価)の具体的な違い
OQ(運転時適格性評価)とPQ(性能適格性評価)の具体的な違いはあるのか?
「OQ」と「PQ」は適格性評価として、バリデーションの一部として実施しますが、現場では、この二つの違いが分からない、という話を良く聞くことがあります。
今回は、この違いを規格の要求から読み解いて、実際の現場では具体的に何を実施したら良いのか、当社の考え方なども併せて具体的にご紹介します。
まずは、小難しい規格での相違点を探してみました。
最近、殆どの規格が適格性評価を要求していますが、OQ・PQの定義は当社が最も馴染みが深いバリデーション基準で考えてみます。
□ OQ・PQの規格要求の差は『1ヶ所』だけです。
※このように、赤点線枠の1ヶ所だけがOQとPQの要求で違う所になりますので、ここに注目して、具体的な違いを考えてみます。
『OQ』は設備、システム又は装置そのものの動きを確認します
OQの注目点をイメージし易くすると
となります。
従って、OQは設備、システム又は装置そのものの「ハード面」を確認するとも言えます。
『PQ』は使用者の思い通りに動作することを確認します
PQの注目点をイメージし易くすると
となります。
従って、PQは設備、システム又は装置を「ソフト面」から確認するとも言えます。
恒温槽では「OQは無負荷状態」「PQは有負荷状態」で測定するということになります
恒温槽を例にして、OQ、PQではどんなことを実施したら良いかと言うと
□OQでは、
槽内に何もない状態(無負荷状態)で温度変化などを測定します。
□PQでは、
槽内を使用する状態(有負荷状態)で温度変化などを測定します。
従って、恒温槽でのOQ、PQの具体的な実務の違いは「OQは無負荷状態」「PQは有負荷状態」で測定するということになると考えます。
※当社は、
フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。