第389号 性能試験に使う模擬負荷のEGもガラスビーズも水と似た温度変化をする
今回は、先々週のメルマガに引き続き、「模擬的な負荷」についてお届けします。
先のメルマガでは「水」を使って実験し、水の量が冷蔵庫などの評価結果に大きく影響することなどをご紹介しましたが、水が凍るような低温や、逆に水が蒸発する高い温度では使うことができません。
そこで、今回は低温で使用するEG(エチレングリコール)、高温で使用するGB(ガラスビーズ)の温度変化の違いなどをご紹介します。
低温では「EG」、高温では「GB」を模擬負荷として使用することがあります
>> 性能評価試験では、模擬負荷を使用することがあります。
この模擬負荷には水を使用することが多いと思いますが、水が凍るような低温、蒸発するような高い温度では使うことができません。
そこで、当社では低温の時ではエチレングリコール(EG)、高温の時にはガラスビーズ(GB)を使用するなどの使い分けをしています。
□ 模擬負荷の使い分けの当社の例
今回実験に使用したガラスビーズ
※ そこで、今回は、同量(20ml)の水・エチレングリコールとガラスビーズの3種類で温度変化を調べて、水との違いを比べてみます。
EGとGBの温度変化は水と似ている
>> この実験は、3種類(水、EG、GB)の模擬負荷を冷蔵庫内に設置して、温度変化を測定します。
□模擬負荷と温度データロガー
※今回の実験では、3種類の模擬負荷と、温度データロガーを3セット使用しました。
□ 使用測定器の仕様
・温度データロガーメーカ:T&D / 型式:RTR-502
・温度センサ型式:TR-5106(90%応答空気中:80秒、撹拌水中:7秒)
■ 今回の実験においては、
・EGもGBも水と同じぐらいの温度変動(幅)になった
・固体のガラスでも20mlの量にすると、ほぼ同じ温度変動幅になることには少し意外な感じを持ちました。
・実際の庫内温度の変動幅は模擬負荷の4倍ぐらいになっている
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。
模擬負荷はOQ(運転時適格性評価)では使用しない方が良い
>> 冷蔵庫の適格性評価のOQでは、模擬負荷は使用しない方が良い
つまり、OQでは冷蔵庫自体の性能の良し悪し確認することですので規格の要求する内容からストレートに考えた場合、OQで模擬負荷を使って、実際の庫内温度と違うデータで評価をすることは余り、意味のないことだと考えられるということです。
□しかし、PQ(性能適格性評価)では製品を評価で使用できない場合に限り、製品の代わりとして模擬負荷を使用することがベターではないかと考えます。
※ 当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。