第405号 製剤設備の計装機器配線等を安易に取外・取付してませんか
今回は当社に寄せられたバリデーションの現場で起き得るちょっとした疑問と、当社の対応についてご紹介します。
キャリブレーション作業時に計装機器の配管などを取り外しても良いのか
頂いた疑問は、『予測的バリデーション・再バリデーションのキャリブレーション作業時に計装機器の配管などを取り外したり、取付したりしても良いのか?』というものです。
□医薬品製造の現場で、設備や装置の適格性評価のキャリブレーションを実施する際には、計測機器に接続されている配管や配線を外さないと作業ができないことがあります。
例えば、下図のような配管内の温度を測定している計装ループのキャリブレーションを行うときには
□このように、計装機器の配管などを取り外す必要がどうしても生じてしまいます。
※この行為が、バリデーションとして問題ではないか?という疑問です。
この疑問は規格の矛盾から生じていると思われます
発端は、バリデーション基準(一例)にあると考えます。
製剤・原薬や製造支援設備に要求されるバリデーションでは、一般的に右に示すプロセスを順次実施する必要があります。
このように、『IQ:設備据付時適格性評価』が完了しないと『キャリブレーション』は実施できません。
※しかし、『キャリブレーション』を行うためには、温度センサのように『IQ』実施済みの箇所を取り外す必要があります。
当社に寄せられた疑問は、この矛盾が生じる点から出てきたと考えます。
当社は、この疑問を解決する方法は一つしかないと考えています
解決する方法はバリデーションのプロセスで、再度IQを実施する作業を行うという考え方です。
※右図のように、キャリブレーションを実施した後に、取り外し、取り付けを行った箇所に限定して、再度、IQを実施します。
この疑問を解消する「再IQ」の当社のやり方をご紹介します
「再IQ」は、当社のISO9001で決めた『校正票』を使って作業することで実施します。
このように実施することで、限定された箇所の再IQを実施したことになると考えます。
■この疑問を解消して、規格通りのバリデーションが実施できたことになると考えます。
※当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、
規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、
お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。