第418号 キャリブレーション(校正)を外部委託した時のメリットとデメリット
キャリブレーション(校正)を外部委託したい
>最近、外部委託を検討することになったが、自社校正か外部委託校正かどちらが良いかといった問い合わせを頂くことが増えてきました。
■外部委託を検討する背景として、
・設備、装置に付帯する計測機器をキャリブレーション(校正)しなければならないが人員不足で対応が難しくなった
・間接的な作業のため、キャリブレーション(校正)作業が特定の人に偏ってしまう
・コストダウンにつなげたい
等々があると思われます。
■このような背景から推測するに、自社校正・外部委託校正のどちらが良いかは、皆様の状況によって大きく変わってくると思われます。
そこで、外部委託をするとき、どんなメリットとデメリットがあるか当社なりの考え方をご紹介することにします。
キャリブレーション(校正)を外部委託した時のメリット・デメリット
>作業コスト、人員、標準器管理の視点で纏めました。
項目 | メリット | デメリット | ||
---|---|---|---|---|
作業コスト | 人 | 校正作業時間がいらない | 業務委託費が発生する | |
校正に係る教育・訓練時間がいらない | 校正業者との仕様打合せなどが必要になる | |||
標準器 | 標準器等の外部校正費がいらない | —– | ||
人員 | 校正作業者を別の業務に就かせることが出来る | 校正実務に関する知識を持った人がいなくなる | ||
校正作業を実施するなどの、特定の人への偏りが無くなる | (標準器が無いため)突発での計器の指示確認ができない | |||
標準器管理 | 標準器、付帯機器(恒温槽等)の管理が不要 | —– | ||
管理スペースが不要 | —– |
他に、外部委託することで、第三者の信用を得られ易い、専門企業からの情報提供により校正に関わる情報が入手し易いなどのメリットもあると考えます。
※このようなメリット・デメリットなどを考えることも自社校正、外部委託校正のどちらが良いかを決める判断材料になると考えます。
外部委託には、事前の手間も発生する
>実際に、校正を外部委託しようとすると思いがけないことが起こる場合があります。
■時折り聞く話としましては
製剤企業等では、自社の設備や装置に見合ったキャリブレーション手順などを決めている場合
これらの手順を校正業者に教育したり、資格を与える手間が結構かかると言った内容です。
■そして、校正業者の手順であっても、都度、自社の設備、装置に使っても良いか等の確認する手間もかかってくることも知っておく必要があると考えます。
校正は専門企業に任せましょう
>皆様それぞれが持つ課題によって判断が変わってくると思いますが、最近では、本業以外の業務を外部委託するという考え方が主流になってきていると思います。
■製品を製造することが得意な企業は、製造以外の総務とか経理等の間接業務を専門業者に委託して、製造に専念するということで、技術開発等に人材を活用できると考えます。
※キャリブレーション(校正)のような専門的な作業は、専門業者に任せることも人材不足を補うひとつの選択になると考えます。
最後まで、お読みいただき有難うございました。