第423号 台車(人力)での輸送は、製品に結構大きな振動を与えている?
輸送はトラックなどの動力のついた車両輸送だけではないことに気がつきました
> 今回、お客様から人力の台車とか人の手で輸送するときの振動についてのお問い合せをいただきましたが、
当社ではトラックなどの車両を使った輸送バリデーションに目が向いていて工場内などで人力の台車などを使って製品を移動させることもあることに気が付きました。
そこで、今回は人力の台車で輸送したときの振動の値を測定することにしました。
当社駐車場から社屋玄関までの段差のある経路で振動を測定しました
> 今回の実験は、人が簡単に持てる程度の保冷ボックスの底に振動計を張り付けて台車に載せて運びました。
■ 実験に使った保冷ボックスの大きさなど(サイズ感)
大きさW:340mmD:260mmH:310mm重さ2.5kg
■ 振動センサの取り付け状態
振動センサは、3方向(X・Y・Z)の加速度を測定できるものです。
■ 人力の台車を使って輸送した場所(経路)と段差
当社駐車場から玄関まで保冷ボックスを載せた台車で移動しました。
製品には結構大きな振動が加わると想定できます
> 使用した振動計のデータは、X軸(左右)、Y軸(前後)、Z軸(上下)の1秒間あたりの最大値を表示し、XYZのベクトル和を合力と表示しています。
■ 1分間の加速度の最大値
■ 1分間のグラフ
今回の実験結果からは
・当然ですが、輸送経路の段差付近でXYZとも大きく変化しています。
・合力(ベクトル和)は100m/s2近い値を示しました。
■ これらの値がどれぐらいの振動になるかというと、
以前に実験したトラック輸送では、荷物をトラックから配送センタ内に移し替えるときに最も大きな振動(196m/s2)になっていましたので、その半分ぐらいの大きさの振動になっています。
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※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。
やはり使用状況に合わせて確認することが必要と考えます
> 同じような台車でも製品に加わる振動は次の様な要因で大きく変わることが考えられます。
振動の大きさが変わる要因としては
・台車の構造、タイヤの種類、大きさ
・路面の状態や段差の違い
他に、製品の種類や量など様々なことが考えられると思われます。
■ このように、振動が変わる要因は数々あるため、使用する台車や輸送ルートなどに合わせて確認することが大事と考えます。
時には、GDP規格(医薬品の適正流通基準)などが求める輸送バリデーションを実施することも一つの手と考えます。
※ 当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。