バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

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第454号 校正ポイント数は「5ポイント」、「3ポイント」どっちが良い

校正ポイント数は何ポイントが良いのか

現場で校正を実施する際に、決めかねることのひとつとして「校正のポイント数」があげられます。

校正のポイント数が増えれば、作業時間が多くなり、コストアップになるため少ない方が良いということになりますが、

⇒どれぐらい少なくしても良いかが悩み事になると思われますので、いつもお問合せの上位にランクされると考えられます。

※そこで、ポイント数を決定する根拠を規格から読み解いてご紹介したいと考えました。

JIS規格が求めているポイント数は5ポイント!

校正の対象になる各種測定器や計測器は、JIS規格をもとに製造されていますので一例として、JISJ1803-1995を取り上げます。

【規格要求】

JIS C 1803-1995 工業プロセス計測制御機器の性能表示法通則では
工業プロセス計測制御機器全般にわたる基本的な性能の表し方

6.確認試験
定格性能として表示された誤差の値を確認するために行う基準性能及び影響変動の試験は、被試験機器の入力の下限値と上限値を含む5点以上について対応する出力を測定する。

このように、JISで製造される温度計とか温度センサーなどの単一機器の校正ポイント数は5ポイントと考えることになります

※当社では、この単一の機器の校正を単体校正と呼んでいます。

ところがGMPでは決められた校正ポイント数がない

製薬などにおいては、厚生労働省のGMP規格のバリデーション基準の要求に基づいて校正を実施することになります。

□GMP規格のバリデーション基準が求める校正

「校正」とは、
必要とされる精度を考慮し、適切な標準器や標準資料等を用いて製造行為中に使用される計測器の表す値と真の値との関係を求めることをいう。

この規格では、校正のポイント数に関わる要求がありません。
校正の対象が「製造行為中に使用される計測器」と示されていることで、(一般的に)ループの状態で校正するとが分かりますが、校正のポイント(数)まで決められていないことが分ります。

即ち、GMPのループ校正では、何ポイントでも良いということになります。

校正ポイント数は、単体校正では5ポイントとループ校正は3ポイントが良いと考えられます

2つの規格から、単体校正とループ校正のポイント数をまとめてみます。

【単体校正】:イメージ図中の青丸
イメージ図のように、温度センサー、温度指示調節計、記録計それぞれを単一のものになるので、JIS規格に準拠して上限値、下限値を含む5ポイントが妥当だと考えます。

【ループ校正】:イメージ図中の赤丸
ポイント数は決められていないので、測定値の直線性を考慮して、3ポイントが妥当と考えます。[当社見解]
ループ校正はイメージ図のように、単一の温度センサー+温度指示調節計+記録計全体で行うものです。

HP45401

このように、
単体で校正する場合(単体校正)、ループで校正する場合(ループ校正)に分けて、校正ポイント数を決める事ができると考えます。

※当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、
 規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業を
 お届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。