第456号 意外なキャリブレーション作業の無駄削減(コストダウン)の提案
意外なキャリブレーション費用のコストダウン方法・・・
日頃、当社にはキャリブレーション費用削減のお話を頂くことがあり、その方法を提案をしています。
□例えば、
校正ポイントの最適化で、少ない校正ポイント数にして全体のコストを下げる方法などです。
※今回ご提案する方法は、それとは別に、無駄な動きに注目することでコストを下げる方法をご紹介します。
実際の現場では、適切な作業場所を確保することが難しい
実際のキャリブレーションをこのような作業場所で実施するとき、タンク上部にサルはしごを使って恒温槽などを上げ、次に、温度センサを取り外し恒温槽に入れてキャリブレーションを行う必要があります。
□ 誰が見ても、やりにくい作業で、危険が伴う作業だと容易に判断できます。
※このように、
タンク上部に取り付けられた温度センサをキャリブレーションするには、恒温槽などをタンクの上に運んだり、設置場所を確保したりと、キャリブレーション作業自体でない動き(時間)が必要になります。
今回のコストダウンの提案は、この無駄な動きに注目するものです。
改善策は、温度センサーの配線を長くすること
新たに、温度センサの配線の追加工事を行い、タンクの設置レベルと同じ位置まで長くできれば、恒温槽や標準器をダンク上部まで運んだり、設置場所を確保する等の無駄な時間を使う必要がなくなります。
但し、この方法は、配線を張り替えるという作業を行いますので、据付時適格性評価(IQ)として、模擬ループキャリブレーション等を行い、正しく配線工事が実施されたことを確認する必要があります。
※こうすれば、
キャリブレーション自体の作業以外の時間を大幅に削減できるためキャリブレーション費用をダウンさせることができると考えます。
そして、作業員の安全も確保しやすいと考えます。
どれぐらいのコストダウンできるのでしようか
現場の状況が色々変わるため、簡単に、費用の算出はしづらいですが
キャリブレーション自体の時間(費用)と準備に使った時間(費用)はほぼ同じぐらいな時間と考えることができるので、単純に考えれば、コストはほぼ半分になるかもしれません。
複数の温度センサがある場合、それらの配線も長くすれば、同時作業も可能になり、もっとコストダウンできると考えます。
配線を長くする工事やIQ作業を行えば、
毎年のキャリブレーション費用が削減できることは大きなメリットと考えます。
■設備や装置を設計・施工する段階で、キャリブレーションや適格性評価のやり易い設備や装置にすることも重要なことと考えます。
※当社は、
フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。