第458号 医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインが求める温度マッピングの実際(温度制御の場合)
温度制御された保管庫の温度マッピング
前回のメルマガに引き続き、保管庫の温度マッピングの実情をご紹介したいと思います。
■ 今回は、5℃で温度制御されている保管庫の9ヶ所(〇印 1~9)を測定します。
【測定位置】
温度制御された保管庫の温度分布の実際
このデータは、使用状態に近似させるために、
温度制御を始めて中央5の温度が設定付近に到達してから60分以上経過後、温度測定を開始しました。
【温度マッピングの結果(グラフ)】
【温度マッピングの結果】
■結果を整理すると、
・設定値(5℃)と平均値は各測定場所で、0.1~0.6℃程度ずれている。
⇒これは温度の制御性能の影響があると考えられます。
・測定場所4,9が最大-最小の差が大きい。(大きく変動している)
⇒保管の温度条件を逸脱しやすい場所と考えられる。
従って
この保管庫では、測定場所4,9の温度をモニタリングして3.3℃以内であれば
他の場所の温度は測定値内の温度になっていることが確認できると考えます。
でも、保管条件はいつも同じでないけど・・・
前回と今回でここまで2つの実例を見てきましたが、温度マッピングを実施したとしても、1パターンだけの測定では、「製品量」「保管場所」の違いによっても温度が変わってしまうのではないか気になります。
⇒これでは、保管時の必要条件を満たしていないと考えられます。
その疑問、こんな方法で解決できそう!
本来は保管時の全ての条件(量・場所)で温度を確認するのが最も良いことになりますが、コスト面から考えて、特定の条件を決めて測定するという考え方もあります。
□ 特定の条件とは(一例ですが)次の6パターンで実施することです。
このような温度マッピングを行うことで、安心して保管することができると考えます。
※当社は、
フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、
規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける
作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。