第462号 GMPのバリデーションで実施するキャリブレーション(校正)で重要なこと
バリデーションで実施するキャリブレーションで気になること
> 当社では、「医薬品・原薬・医療機器などの規格が求めるキャリブレーション(校正)の考え方と進め方」というテーマで主要都市で開催しています。
■ 皆様からいただくお問合せの中で、バリデーションとして実施するキャリブレーションで気になる言葉があります。
例に、2つの言葉を取り上げると
確かに、キャリブレーション(校正)だけの為に、多くの手間をかけるのは大変だと思いますので、2つの言葉のように、少しでも減らしたいという気持ちは分かります。
しかし、製品品質に影響するかもしれないという心配な気持ちも起こってくると思います。
製造する製品品質が守れないかも・・・
> ①②の気になる言葉と校正誤差の関連について、誤差が発生する要因から考えてみたいと思います。
このように、気になる言葉の状況で、実施されたキャリブレーション(校正)のデータでは現場で実際発生していると考えられるデータ(誤差)とは差が生じると考えられます。
※ 即ち、温度等生産時に使用しているデータと実際の正しいデータが違うことでもともと決められた生産条件で生産できず品質が守れていなくなっていることも想定することができます。
これは、重大な問題だと考えます。
そのために、規格は誤差が出ないように定義しています
> GMP事例集や旧のバリデーション基準での校正の定義をみると
と定められています。
この定義中の「製造行為中に使用される計測器」という言葉は
製品品質上(SOP:標準業務手順書などで決められているなど)、管理(コントロール)が必要な物理量の値を表す計測器を示し、センサ~表示器までの一連の計測器と考えられ、使用現場でそのままの状況で校正を実施する必要性があると言うことになると考えられます。
このように考えることで、キチンとした校正が実施できることになると思います。
従って、気になった言葉のように、「センサを除いて校正する」とか「流量計だけを取り外して校正する」ことは規格の定義を満足していないことになり、キチンとした校正が実施できていないと考えられます。
原点に立ち戻ってキャリブレーション(校正)を実施することが重要!
> 確かに、多くの手間がかかることは大変なことかもしれませんが、その手間を省いたために起こる大きな問題に気付いていただけたと思います。
やはり、原点に立ち戻って、キチンとキャリブレーション(校正)することが、継続的に製品の品質を守るために重要なひとつと言えると考えます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。