第465号 設備・装置のバリデーションの要求の仕方は業種毎に違う
バリデーションの規格要求は業種ごとに違う
> 製薬、医療機器製造の現場では、製造に使う設備・装置にバリデーションが要求されていることは良く知られています。
そして、バリデーションは、食品製造や細胞培養でも要求されているため、それらに関わる設備や装置メーカに、バリデーション込みで発注されていることをお聞きします。
■ このような業種向けの設備・装置メーカから、業種ごとのバリデーションの違いなどをお問合せ頂くことがありますので
今回は、2020年HACCP義務化で話題になっている食品でのバリデーション要求とその実施方法についてご紹介します。
食品製造でのバリデーションは「CAC:食品安全委員会のガイドライン」
> 当社は、食品製造でのバリデーションは、「CAC/GL69-2008」食品安全管理手段のバリデーションに関するガイドラインが基本だと考えています。
(CACとは、食品規格委員会のことで、英語名でコーデックス・アリメンタリウス・コミッションといい、CACと略称されています。)
■ このガイドライン(GL)では、まえがきに
とその重要性を述べています。
ここでは、食品の安全性の一つは、バリデーションで実現できると考えられていると思われます。
■ そして、このGLでバリデーションは
と定義していますが、この定義を読み解いて、現場でのバリデーション実施レベルまで展開することは難しいと考えます。
ISO22000のバリデーションの規格要求を読み解きました
> ISOの食品セクター規格となるISO22000での規格要求は次の様になっています。
当社は、この定義を、現場で実際に使用できる内容に読み解き、実際の作業に展開しています。
□ 規格要求の赤字の部分に注目して
□ このように読み解くことで、食品製造設備のバリデーションは、二つの方法で実施すれば良いと考えることができます。
但し、①②は当社が提案している名称です。
※次に、②性能確認(有負荷)の具体的な方法をご紹介します
加熱条件の検討のための②性能確認方法です
> 妥当性のあるHACCPプランにするために加熱装置のバリデーションを実施します。
□ 検討する内容は、製品の法的基準などを達成するため、製品の中心温度を70℃以上にする加熱調理が必要であることから、
□ 製品の中心付近に、温度センサを設置して、中心温度が70℃以上になるか記録計+パソコンを使って確認します。
□ 測定箇所は、最低でも四隅と中央の9ヶ所の製品の中心温度を測定します。
(多ければ多いほど良いとも言われています。)
このように、加熱機能が正確に測定されていることを文書化することで規格が求めるバリデーション(妥当性確認)を実施したことになります。
一例になりますが、バリデーションの定義の実現方法をご紹介しました。
次回は、先端医療で使用される設備・装置へのバリデーションの規格要求と実施方法をご紹介する予定です。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。