第467号 設備・装置のバリデーションの要求の仕方は業種毎に違う[その3(GDP)]
バリデーションの規格要求は医薬品の流通規格(GDP)でも違う
> 前々回と前回のメルマガでは、生活に身近な食品を製造する設備・装置や医療関連の設備・装置に、バリデーションが要求されていることをご紹介することで
私たちの身近な業界でバリデーションが話題になっていることをお伝えしてきました。
■ 今回は、もっと身近な医薬品流通でのバリデーションについてご紹介します。
記憶に残っている方も多いと思いますが、「ハーボニー配合錠」偽造品流通事件が平成29年1月に起こり、我が国では偽造品の流通はないという認識が一般的であっただけに、本事件は強い衝撃をもって受け止められました。
⇒ そのようなことを防ごうと、医薬品の完全性が保持されるための手法を定め、偽造医薬品が正規流通経路へ流入するのを防止するための適切な手法として、医薬品の適正流通(GDP:Good Distribution Practice)ガイドラインが平成 30 年 12 月 に発布されました。
※ GDPガイドラインでは、どのようにバリデーションを要求しているかご紹介します。
「GDPガイドライン」で「バリデーション」はどんな位置づけか
> GDPガイドラインではどのようにバリデーションが位置付けられているかは、このガイドラインの目次を見てみると一目瞭然と考えます。
[目次の一部です。]
バリデーションは、この目次にありますように、流通に関わる施設、機器にキチンと要求されていることが分ります。
■ 3.6適格性評価及びバリデーションをもう少し細かく見てみます。
※ 察しの良い方は、既に、良く似た規格を思い出された方も多いのではないでしょうか。
(その内容は次回以降のメルマガで詳細をご紹介したいと考えています。)
GDPガイドラインは具体的に何を行ったら良いでしょうか
> GDPの規格要求を確認すると
と要求され、施設の温度維持が製品の品質維持に重要なこととして求められています。
□ 具体的には
このように、医薬品の保管・輸送に対して、校正・バリデーションが要求がされています。
⇒ そのため、国内の関連業界で、温度マッピング・校正や輸送のバリデーションが実施されているのも頷けます。
温度マッピングの一例をご紹介します
【例:保管場所の温度マッピング】
温度マッピングでは、測定箇所に温度ロガーを設置して、温度データを収集し各測定場所で収集したデータを処理することで、設備全体で温度が均一であることを確認します。
[温度ロガーの設置例]
■ GDP対応の温度マッピングの1例としてご紹介しましたが、この方法は、GMPの保管等でのバリデーションでも使われていることを付け加えさせていただきます。
『GDPのガイドライン』の詳細につきましては、次回以降に、ご紹介したいと考えています。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。
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■ 業種別の設備・装置のバリデーションについて
[その1]は、こちらでご覧いただけます。
https://www.validation-wa-nks.jp/wp/2019/0516_113013.php
[その2]は、こちらでご覧いただけます。
https://www.validation-wa-nks.jp/wp/2019/0523_145957.php
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