第478号 圧力伝送器の温度と傾きを同時に変化させたときの出力変化を知りたい
傾きと温度の両方が変化したときの出力変化を知りたい
> 差圧伝送器が使用される実際の現場では、色々な測定条件が重なっていると考えられます。
差圧伝送器が取り付けられる現場は、真冬の吹きっさらし、真夏の炎天下、高温になる炉の近く、大きなモーターの際など厳しい温度環境にあることが多く、さらに、オペレーターが見易いように上下左右に傾けて、取り付けられていると思います。
□ 今回実験しようとする温度と傾きの2つだけでは、上記の様な実際の現場の状況を再現できないとは思いますが、まずは、実験できるところから出力の影響を調べてみました。
※ 実験の方法は、前回のメルマガの傾きの実験の状態で、温度を変化させて行うことにしました。
温度と取付姿勢を組み合わせてみると、意外な結果になることも・・・
> 取付姿勢は、表示部が「左向き」「上向き」「右向き」の状態で、環境温度は「-5℃」「25℃」「50℃」で測定を行いました。
【取付姿勢】
【測定の手順】
測定は以下の手順で実施しました。
①差圧伝送器を測定のイメージのように配管・配線する。
②差圧伝送器を「表示部を上向き」にして恒温槽に設置し、『-5℃』『25℃』『50℃』に
設定し運転を開始する。
③恒温槽の温度が安定したら、0~100%までの各ポイントの圧力を入力し、そのときの
出力信号を記録する。
④標準圧力計との差を求め、測定範囲(フルスケール)に対する誤差を算出する。
【測定のイメージ】
【結果とグラフ】
■ このデータからは、やはり、差圧伝送器の環境温度、取付姿勢の変化が重なり合って、指示誤差(出力誤差)を生じさせたと考えられます。
温度と姿勢だけでも、誤差の変化はややこしい
> これらのデータを見ると、ややこしくてどの様に考えたら良いかわからなくなってしまいます。
温度の影響?、取り付け姿勢では重力の影響?そのほかの??、何がどのように関与するのか良くわかりません。
関与の仕方が分からないと、どんな校正方法が良いのかも明確になってきません。
□ しかし、こんな時には、現場で取り付けられたそのままの状態で校正を行うことが一番納得できるような気もします。
■ 皆さんの校正に関わる状況によって、校正方法はいろんな方法が考えられると思います。
差圧伝送器の温度変化、取付姿勢の変化などの実際の測定データが少しでもお役に立てれば幸いです。
※ 当社は、この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。